近藤紘一さんの著書の中にこのような記述があった。 "メコンデルタの恩恵を全身に受けた南ベトナムの人々は、色とりどりの花と充分な米に養われて生活してきた。その反対に、痩せた大地の北ベトナムは『木に描いた魚を食べる』という言葉があるほど貧しい。南ベトナムの長い歴史において、メコンの賜物を狙う敵は必ず『北』からやってくる・・・このことは両地方の人の気質に大きく影響している。常に入れ替わる支配者に調子を合わせることが必要とされてきた南の人は、一見朗らかで愛想がよい。北の人は質実剛健という感じで愛想は無いが、真っ直ぐなところがあるようだ。″ ここホーチミンは、旧南ベトナムの首都(サイゴン)であった。『南』から見れば北の革命軍に国を奪われ、街の名前も『ホーチミン』と変えられてしまったのだ。一夜にして南ヴェトナム通貨”ピアストル”は紙くずとなり、北の”ドン”が使われるようになった。今でも北と南はお互い良い感情を持っていないらしい。南で北訛りのヴェトナム語を話すと”ふんっ、田舎者”と馬鹿にされ、北で南訛りを話すと”なんだ、気取りやがって”と嫌われるという。 歴史的背景から来る様々な要素を鑑みると、ホーチミン作戦博物館の館員の態度も分かるような気がする。そのせいかどうか分からないが、今でもホーチミンの街ではバス・鉄道の表示が”サイゴン”のままだし、航空券の記載も”SGN”である。 ホーチミン作戦博物館を後にしてレユアン通りにもどり、統一会堂(旧大統領官邸)方面へ進む。 途中、物々しい警備員が立っている区画に差し掛かる。 なんだろう、民間人もたくさん行列しているぞ。地図で見ると・・・アメリカ総領事館だった。この人たちはヴィザかなにかを取得する為にここに並んでいるのだろうか・・・。 『ちょっとすいませんね〜』とつぶやきながら人の波をくぐり抜けて更にテクテク歩く。その間もいちいちバイクタクシーやらシクロやらの客引きに声をかけられて、面倒なのなんのって。 バイクタクシー「タクシー?」 い「いらないよ」 バ「どこ行くの?」 い「べつにぃ〜。ぶらぶらしてるだけよ。」 私の歩く方向にず〜っとついて来る。 バ「どこからきたの?」 い「日本。」 バ「ヴェトナムは初めて?」 い「そう。」 バ「観光名所を案内するよ。◎△と◇#と*○・・・とまわって**ドル(忘れた)でいいよ。安いでしょ。」 い「いらないってば。」 バ「アナタ、かわいいね。」 い「あ、どうも。」 バ「タクシー、乗らないの?」 い「シンロ〜イ(ごめんなさい)。」 バ「オー!シンロ〜イ・・・。上手いねぇ、はは。」 い「そう、シンローイなの。ごめんねぇ。」 バ「じゃあ、またね。」 やっと彼を振り切って、通りの雑貨屋さんに入った。でもまあ、嫌なシツコさじゃなかったな。しかも本物の発音の「シンローイ(ごめんなさい)」をヒアリングする事ができたし、実践成功、少し上達したぞ! 私が思うに、大別して2つの国がある。 『アリガトウ』の国と『ごめんなさい/いいえ』の国だ。 代表的な『アリガトウ』の国は(私の経験では)もちろん、タイだ。親切を施される事が多く、旅行者として滞在している時にも頻繁に『コップン・カー(アリガトウ)』と使うし、相手に言われることも多い。 反対に『ごめんなさい/いいえ』の国はヴェトナムだと思う。これは人それぞれの感じ方なので全ての人が感じるわけではないと思うが、少なくとも私が最初に覚えたヴェトナム語は『シン・ローイ(ごめんなさい)』だった。 殺伐とした雰囲気の人ごみが多く、掻き分け掻き分け進まないといけないし、怪しい客引きも多い。実際、街角で大声で争っているヴェトナム人を見かけることも度々あり、平和ボケの私はひたすらそんな事件に巻き込まれないようにと、あくまで『ごめんなさいねェ』と笑顔ですり抜けていくことが精一杯だった。 ヴェトナム語で『アリガトウ(*)』は何て言うのか、思い出せない。 (*)ありがとう:ヴェトナム語では『カーム・オン』です。今調べました。 |
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駆け込んだ雑貨屋さんは、観光客向けの雑貨やインテリアがたくさん置いてあるカワイイお店。日本にある有名雑貨店『フ○ン・フ○ン』『ア○タヌーンティー○ーム』等にありそうなカトラリー・キッチングッズ・カラフルなランプが置いてある。私が以前買ったようなキャンドルスタンドも見つけたし、同じデザインでザイズ違いの物などもある。お店の内装もベージュで統一されていて全体的にナチュラルテイストだ。バンブー物もたくさんあるし。 私のほかにも観光客風の西洋の方・日本人の若い女の子達が熱心に見入っているのだが、お値段は・・・う〜〜む。日本で買うのと同じくらいか、ちょっと安い位? 実際に生産している所の近くまで行けばものすごい破格で売っているのだろうけれど、こういう街角じゃあねぇ。 後で知ったのだが、このお店は観光ガイドブックに載っていた。納得。 お店を出て更にまっすぐ進み、左折する。 国営百貨店を目指そうと思い、歩いて行くと・・・あ、ラッキーじゃん。ヴェトナム航空のオフィス発見!!ここで出くわす予定ではなかったのだが、これ幸いとリコンファームに挑戦。 オフィスに入ると、ヒヤッと心地いい空気に包まれた。おおおお☆エアコンではないか。気持ちいい〜〜〜。 航空会社のオフィスというよりも日本の銀行に近い雰囲気でカウンターが並び、小奇麗なお姉さん達がコンピューターの前に座っている。 ええ〜っと、私はリコンファームがしたいんだけどどこ行けば良いのかなぁ・・・。きょろきょろと見回すとなんと!!日本の銀行などで見かける順番札発券機を発見!(さぶっ) じ〜〜〜〜っとその機会と対峙していたら、ここのブースはチケットの手配の場所らしいという事が書いてあった。リコンファームは・・・ああ、あっちのブースか。 矢印どおりに進むと、また発券機君を発見!!(しつこい) そこに『リコンファームの方はこの票をお取りになって、順番をお待ちください』という事が書いてある。たぶん。 それにしても涼しくて良いなぁ〜〜などと思いつつ、票を持って順番を待つ。ベンチに座って周りを見回すと、あまり外国人のお客さんはいないようだ。 順番が来て、椅子に座りお姉さんにリコンファームをお願いする。まあ、チケットを差し出して『リコンファーム』とかそんな単語を言えば通じちゃうのだ。 サクサクッと終わって、また灼熱の表へでる。 今日はちょっとヴェトナム雑貨を見ようかな・・・と思っていたので予定通り国立百貨店を目指そう。 グエンフエ通り沿いには電気屋さん・靴屋さん・アオザイ屋さん・本屋さん・・・たくさんのお店が立っている。その並びに建っているなんか薄暗〜い雑然とした所、ここが国営百貨店・・・コクエイですか。百貨店というより、コンクリートの屋根が付いた箱の中に青空市場が詰め込まれているいう感じ。中には小さなお店がたくさん入っていて、商品がごちゃごちゃと置いてある。入ってすぐの雑貨屋さんに最近流行ったバッチャン焼きが山積みになっている! ・・・というかどこのお店にも赤絵のバッチャン焼きがあるぞ。お箸や小物入れ、置物、焼き物〜その他こまこまとした物が置いてあり、目移りしてしてしまう。値札という物があまり貼っていないなぁ。 手にとって見ようとすると、お店の人が営業にやってきた。 い「これはいくらなんですか?」 店員「**ドンです。ディスカウント?」 い「いや、見てるだけなんだけど・・・」 店「いくらなら買う??」 い「だから、買うっていうか・・・」 店員はぐいぐいと私に電卓を押し付けてくる。強引だぞ!それ。 い「(○△ドン、と打って)これ位じゃないと、日本で買うのと同じだよ。」 店「△◇ドンでどうだ。」 い「別に欲しい訳じゃないから、いいよ。いらないから。」 しつこいのでさっさと行こうとすると、 店「分かった、*◎ドンでどうだ!」 と食い下がってくる。 だから、いらないんだってば。―――っていうか、本当はいくらなのよ。 ヴェトナムの人は買う時しか手にとって見ないのか??と思えて仕方ない。 隣の雑貨屋でもキレイな細工を施した木箱を見ていたら『いくらなら買う??』と言い出し、いらないって言っているにもかかわらず、店長風おばさんまで巻き込んで『***ドンでどう?』とか『△◎ドンで良いわよ!』とか必死に追いかけて来る。 あわわわわ〜〜〜。 サササ〜〜〜っと逃げて、更に奥のほうへ進む。突き当たりはちょっとしたフードコートになっていて、こういう所は『人のいるところに食堂あり』というアジアらしい。 そういえば私もお腹がすいてきた・・・慣れないヴェトナム1日目なのでまだここで注文する気にはならない。 それにしても、あの真剣なまなざしで電卓を押し付けられると、かなり威圧感あるなぁ・・・。 と、お買い物にビビッていたいまむぅが、この数分後・・・・。 |