それ行け!OLバックパッカー

ヴェトナム編


ディナークルーズ・・・

グエンタイホック通りに出ると角に大きなビアホイがあり、ヴェトナムのオジサマ達がタバコをふかしながらビールを飲んでいる。子供用のような低いテーブルとプラスチックの小さなイスに腰掛けているので、見上げられているような格好になってしまう。各々のテーブルには美味しそーーーーーーな料理が沢山並べられていて、言葉さえもう少し話せるなら私もビアホイでビール片手にご飯を食べたい所だ・・・・。いつもなら路地を抜けて大通りを歩くのだが、せっかくだし下町みたいなエリアを歩いてみる事にしよう。(今考えると危なかったかも・・・。)
大通りと違って、夕方の気だるい生活の匂いがする。道路も土埃が舞い、年末で閉まった軒先には子供が走り回っている。『こんな所なんで歩いているんだ??』という雰囲気の視線がこちらに注がれている。あいたたた・・・・ちょっとやばいかも。道もアヤフヤだし薄暗くなってきたのでやっぱり大通りに出る事にする。

サイゴン川沿いのベンクオンズオン通りに出ると、沢山の客引きの女の子がいるぞ。客引きといってもタイのゴーゴーバーの女の子みたいなのじゃなくて(笑)、爽やかな学生さんのアルバイトという感じ。彼女達は夕暮れ時のサイゴン川クルージングの案内をしている。

おんなの子「サイゴン川クルージング、いかがですか?」
い「いや、必要ない。これから行くんだもん。」
お「でも、その船はまだ出港しないからそれまでに私たちの船で楽しめますよ。」
い「ああ、ごめんね、いいや。」
サ「何て言っているんですか?」
い「自分達の船に乗って、先にクルーズしないかって。」
サ「乗らない、乗らないよ〜。」
い「(女の子に)あのー、その船って8時に出航で間違いないですよね?」
お「ええ、あっちの乗り場から乗るんですよ。」
い「有難う。」

英語のしゃべれる学生さんは観光客相手の案内に重宝されているんだろうな。女の子はとても穏やかな物腰で、親切ないいコだったなー。でも、まだ船に乗る時間まで結構待たなければいけない。あ〜つまらん。

い「どうします?とりあえず乗り場の方へ行っときます?」
サ「そうですねぇ。」

やる事も何も無いので、船の乗り場近くの花壇に腰掛けて暇つぶしをする事にしよう。暗くなってきた船着場の周りにはカップルや家族連れが沢山いて、盛り上がっている。みんなお洒落な格好をして新年を迎える準備をしていて、いいなー、なんか。私ときたら汚い格好でサトウ君と二人・・・雰囲気ないわぁぁぁ。あーあ。
あーーーーーーーーあ。

い「ところで、ディナークルーズって、本当にすぐ行って(予約ナシで)乗れるんですかね??」
サ「うーん。大丈夫なんじゃないですかぁ。」
い「汚い格好お断りとか、ないですよねぇ・・・・。」
サ「まあ、大丈夫ですよ。はははははー。」

ちょっと、本当にダイジョウブなの???もー不安になるわぁ。だって周りはみんな小奇麗な格好で、連れ立って船に乗り込んで行くんだもの。何隻もの船が停留しているのだが、そのどれもがケバケバしい電飾をぎらつかせながらお客達を飲み込んでいく。

そのお客達を観察していると『ねえ、この船にしようかしら?それともあっち?』『この船でいいんじゃない?』というやりとりをしていると思われる地元の方がいたので、予約ナシの人も結構いるらしい事がわかった。出航時刻はまだ1時間位あるが、先に船に乗って食事だけする人もいるし、飲みながら出航を待っている人も沢山いる。

い「なんか、何もしないで待っているっていうのも飽きてきたし、もう船に行っておきます?」
サ「そうしますか。」

てくてく船乗り場まで歩いていくと、その船の正装した案内の人がエスコートしてくれる。なーんだ、すんなり行けんじゃーんっ。うふふ。
私たちは2階建て客席の1階に通され、端の方(河側)のテーブルに案内された。見渡してみると何列にもなったテーブルがあり、前方にはステージがある。大きい屋形船という表現がいいかしら。(屋形船に乗った事無いけど)人はまだまばらで、家族連れが数組食事をしている。ここに来ることができるヴェトナムの人は裕福な人なんだろうな・・・・というのが実感できる。いくら私が貧乏旅行といっていたって、結局はこういう所に来るお金は持っているんだもん。
メニューを広げるとヴェトナム語・中国語・英語で表記されていて、お値段も結構高い。恐れおののくいまむぅ・・・・でも、今日はスポンサーが居るんだもんねー、へっへっへっ。
ひとまずビールとサラダを頼み、後からボチボチ頼む事にする。

サ「じゃあ、ビールも来たし乾杯しましょう!」
い「そうですね。」

と、サイゴン河に浮かぶレストランで乾杯!!
少し経つと、だんだん周りに人が入り賑わってきた。みーんな地元の人で外国人観光客は私たちだけみたい・・・・地元の人は中華系の顔をしている。レストランの真中辺りに集まった人たちはかなり豪華なディナーを仲良く食べ始め、テンションも上がっている様子。日本でいう忘年会なんだろうな。

お!!いよいよ出航みたいだ。桟橋にかけられた橋が外され、ゆっくりと方向転換している。テーブルから外を見ると、真っ暗な河の上には数隻のほかのディナークルーズ船が同じように出航し始めている。キラキラ眩い電光が川面に映ってキレイ

い「あ、写真撮らなきゃ。サトウさんもせっかくだから撮ったらどうです?」
サ「そうですねー。キレイですからね。」

といって、彼は持参した『写るんです』で数枚写真を撮っている。そのカメラでは夜景は映らないかもナ・・・と思ったけど、まあ、いいか。
私たちが写真を撮っていると前方のステージに光が当り始めている。何が始まるんだ???

軽快な音楽と共に登場したのは、キワドいレオタードを来たオネエサン達。彼女達がリズムに乗って踊り、そして小技を披露し始めた。
うむむ〜〜〜〜。なんだこりゃ。取り出したものはファイヤーボール。投げたり回したり・・・・あっっっっっっっっ!?

口に入れちゃった。
ファイヤーボール――――火消しのワザだ!!―――雑技団かオマエは!?

次に現れたのはバンドのオッサン達。ム〜ド歌謡をム〜〜〜ドたっぷりに歌っている。何語だよっっ、おいっっっ!!!!訳分からん。

次は、お兄さん登場。ヴェトナムで流行っているのか??というポップスらしい曲を熱唱。

お兄さん「今日は歌を聞いてくれて有難う。一生懸命歌います。」

とか言っているのかしら。見た目は日本人の若者みたいなファッションだが、歌う歌は―――ヴェトナムポップス。

次に現れたのは、小太りのオッサン。この方は演歌みたいな曲を熱唱。中国語らしい。真中の席の団体様は超盛り上がっていて、オッサンの曲に併せて踊ったり(こんな曲で踊るのか??)、オッサンにリクエストしたりしている。しまいにはオッサンのマイクを取ってカラオケ状態。オッサンもステージから降りてフロアを練り歩き、マイクを差し出してお客に歌わせたりしている。何の歌なのかサ――ッパリわからないが、この会場の熱狂振りから言うと相当有名な中国語の曲なんだろうな。
あ、なんかこっちに来そう、やめてヤめて!!

どうやらこの船は団体様の(一部)貸切宴会場だったらしい。まるで異空間に居るようで・・・超つまんない。飽きた。でも何せ河の上、船が桟橋に戻るまで帰れないのだ。
何でこんな事になっちゃったんだ!!!夕方時間かけてまで来たのにこの有様よ、サトウ君。盛下がりまくりなのだよ、私は。
彼は特に何と言うこともなく普通にしているし、私は飽き飽きでどうしようもない。はぁ〜〜〜〜〜。この宴会場の端っこにひっそりと座っている私は、早く終わってくれないかと願う事しか出来ないのか・・・・・・・。

何とか数時間の宴会地獄が終わり、岸についた。そそくさと船から降りる。私の感想は・・・・『ご馳走様でした』。



ヴェトナム最後の夜

サイゴン川のほとりにはいつの間にかヴェトナム人の大群が!!なぜだ?カップルや家族連れが続々と集まってきている。その流れを逆流しながら帰る形になるので、そりゃあもう並みの混雑ではない。ハムギ通りの向こうからはカブの大波が隙間無く押し寄せてくる。こんなに沢山のバイクを見た事がない・・・何かの昆虫の大移動のようで、ちょっとキモチワルイ。おそらくサイゴン川で新年を迎えるカウントダウンのイベントがあるのでは、と思う。

サ「なんかあるんですよ、きっと。僕らも行ってみましょうか!?」
い「―――もう、いいです。帰りましょうっ。」

これ以上体力使ってまた戻るなんてもうウンザリ、ゲンナリ。サクサク歩くわよっっっっっ。途中、公園の小道を通るとカップルが沢山ベンチに寄り添って座っている。中には『ちゅぅぅ〜〜〜〜〜〜ッ』っとしているカップルも沢山だ・・・・サトウ君と二人きり!?!?!?!?なんちゃって。
全然お構いなしにズンズン歩いていく私に付いてくるサトウ君。サクッとサトウ君が昼間チェックインしたホテルの近くに着いた。

い「あ、ココ曲がったらサトウさんのホテルですよ。じゃあ、ここで―――。」
サ「いや、今村さん送っていきますよ。」
い「あー。すみませんねぇ、いいのに。」
サ「危ないですから〜。」

更にズンズン歩いていくと私のゲストハウスの前に着いた。―――が、しかしぃぃぃぃぃぃぃっっっっ、閉まってる!きゃー、きゃー、どーしよっ!!

い「(シャッターをガンガン叩いて)すいませーーーんっ。」

すると『ガチャリッ』と開けてくれた音がして、助かったぁ〜〜〜〜。ココの女主人がちょっとだけ迷惑そうに開けてくれた。

い「じゃあ、色々有難うございました!!」
サ「明日は・・・・。」
い「あれっ!?言っていませんでしたっけ。明日の朝、マレーシアに行くんです。だからヴェトナムは今日が最後。」
サ「―――――。あ、あー、じゃあ。気をつけて。」
い「サトウさんも気をつけて帰ってくださいねー。おやすみなさい。」
サ「じゃあ、おやすみなさい。」

私が中へ入るとすぐに女主人が鍵を『ガチャリ』と閉めた。
2泊3日ヴェトナムって、サトウ君は何しに来たんだ??
まあ、サトウ君、ご馳走様でした。

明日は予約を入れていたシンカフェのエアポートタクシーで空港へ向かうのだ。



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