それ行け!OLバックパッカー

ヴェトナム編


これがメコン川

そこは川幅の広い、黄色く濁った川だった。対岸ははるか向こうにかすんで見えない。
デカイ。デカイっす。これがメコン川なのだ!

ようやくメインであるメコン川に到着した私たちは、桟橋から細長くて屋根・エンジンつきのボートへ乗り込む。タイのチャオプラヤ川でよく見かけるようなこのボートはものすごい音を立てて川を上っていくので、ガイドさん(ベトナム人のオッサン。真っ黒に日焼けして、ポロシャツを着た50代位の小柄な人。なぜかしわがれ声。)の説明が全く聞こえない。
屋根から差し込む日差しの猛烈さに、白人の女の子たちはすかさず日焼け止めを塗りあっている。
ボートの席から身を乗り出して写真を撮っている人の方を見ると、その視線の先にある川岸に漁船と思われる大きな船が沢山繋留されており、甲板には洗濯物が干してあったりして生活の匂いがする。
あ、人が!漁船の上には地元の子供や大人がいてこちらに手を振っている。この船は生活の場にもなっているのかな。やっぱり田舎の人の方が人当たりがいいなぁ。
大きな船体の先に目が描かれていて、何かの顔みたいだ。こういう風習はどこの国でも見かけることが出来ると思う。なんか不思議。

真っ青な空と黄色く濁ったメコン川に挟まれた船はどんどん遡り、河の真中にある島へ到着。大きく左右にゆれる船を順番に降りた後は島の探索。島の円周を辿り、細い道をめいめいに散歩するのだが、私は一人ぼっち・・・・ドイツ人のオッサンが話し掛けてきた。

オ「どこから来たの?」
い「日本。」
オ「コリアンかチャイニーズかと思った。」
い「―――まあ、いつもの事ですから。」
オ「一人で来たの?」
い「そう。アナタも一人?」
オ「そう。」

たわいも無い話をしながら歩く。道沿いにはこの小島で暮らす人の民家があって、小さな子供や少年少女、お兄さんお姉さん・・・がいる。ビリヤード台が置いてある場所(バー?)にはちょっとした不良少年のような感じの若者達がたむろしている。
小道から彼らの生活をのぞき見ていると、見世物みたいに思えてきて何となく躊躇してしまった。しかし、この離島で生活する事そのものが彼らの仕事のようなもの――観光産業かな?

ぐるりと見終わったら、昼食タイム!!

屋根のついたオープンレストランで、メニューからチョイス。
ワンデイ客と1泊2日客とでは内容が違うらしく、私たちはジュースは付いていない。しかし、何となく注文してしまい結局別払いに・・・あぁ、もったいない。コーヒーぎゅーにゅー(アイスカフェラテ)が6000Dもしちゃったよ。朝のフルーツシェイクが4000Dなのにな。

テーブルはいつの間にか2つのグループに分かれていた。向こう側はアメリカ人の男の子2人、フランス人の女の子2人、白人の女の子1人、ドイツ人のオッサン1人。こちらのテーブルは白人のカップル1組と日本人の女の子2人、私(日本人)1人。意識しているのかしていないのかは分からないが、向こうのテーブルに座っている人はあまり話し掛けたりしてくれない。こちらから少し話し掛けてみるものの、結局は疎外感を感じてしまう。それは私のたどたどしい英語のせいだけではないと思えて仕方が無い。
一緒になった日本人の女のコ2人組は大学の卒業旅行で来ているという。片方の子はたくましい感じで(笑)、確か外語学科かなんかのコだ。私は久しぶりに日本人と日本語で話が出来て嬉しくなってしまった。

なんかガヤガヤしてきたと思ったら、『は〜い、皆さんこちらですぅ〜〜』と日本語ツアーの日本人団体がやってきた。身なりも小奇麗だ・・・きっと高いツアーに違いないぞ。
おおおおっ!彼らのテーブルに運ばれてくる料理の数々はなんだ!!!私たちとは比べ物にならないくらい豪華だぁぁぁ―――魚の姿揚げやサラダ、ご飯物に・・・・。
仕方ないか。でも、ちょっと羨ましい。

昼食後、近くの島内のココナッツ飴工場へ向かう。お土産やさん巡りのようなものかな。
熱した大きな釜に黄色い液体がグラグラ煮えていて、それをお兄さんが大きなスプーンのようなものでかき回しつづける。少しでも休むと焦げ付いてしまうらしい。しばらく煮詰めるとあめ色のつやが出て、ねっちょり〜〜としてきた。それを熱いうちに台へ運び、広げて冷ましていく。目の前に広げられたほかほかのココナッツ飴はと〜〜〜〜っても美味しそう☆
端っこをちぎって食べさせてくれた―――――本当に美味しい!!!まじで。アツアツなのでまだやわらかく、まるで最後に口に残ったキャラメルのようだ。歯にくっついちゃう。
そして、販売会。一袋50粒くらい入っていて1ドル。お土産には最適だわ。ご購入〜〜。

そのあと、ちょっとしたスペースで、黄色いアオザイを着たカワイイ小さな女の子が民族音楽に合わせて歌ってくれた。イイ感じでお年を取ったおじさん二人の弦楽器に合わせて上手に歌ってくれる・・・いいわぁ。
私たちの前にはお茶とフルーツが運ばれてきた。ゆっくりと午後のお茶タイムを過ごす。
女の子は歌い終わると『ペコリ』と顔だけこちらに上げてお辞儀をした。それがまた可愛らしいっっ!!!いいわねぇ、小さい子供はそれだけでかわいいからさー。


有色人種

私たち一行は再び河岸へ向かう。
4人で一艘の細長い手漕ぎ船に乗り込む。乗ってみると左右に大きくゆれ、心細いよ・・・・中学生の時初めて来た雨季のタイで、お坊さんの漕ぐ同じような舟に乗ったっけなぁ。懐かしい感覚だ。
船に乗った皆にヴェトナム独特の三角帽子が配られた。これをかぶるだけで気分は倍増!用水路くらいの細い川を、生い茂る熱帯植物に囲まれながら進んでいく
突然視界が開け、向こう岸の見えないメコン川に出た。そこには迎えのエンジン付きボートが待っていて、一行は到着順に乗り換えていく。
乗換えが終わるとエンジンをうならせて対岸へ向かう。

船着場で船から下り、しばらく周辺を散歩。旧正月の年末にあたるので、黄色いお花がカーペットのようにぎっしり並べられた一大市場となっている。三角帽子をかぶったおばさん達がお店を切り盛りしている。
夕暮れに差し掛かり赤みを帯びた夕日は強烈で、サングラスをしないとまともに歩けない。肌もジリジリ熱くなってきた・・・・他のツアー客は白人の方が多いので、日焼け止めを塗っても肌が真っ赤だ。もちろん彼らの青い目はアジア人の黒い目より太陽光線に弱いのでサングラスは必須だ。

歩き疲れたので、船の案内所で休む事にしよう。行ってみるとほぼ全員が同じように戻って来ていた。
マイクロバスが一台登場し、1泊2日ツアー客だけ次の場所に出発していく。残された日帰り組みは、のほほんと日陰で涼んでいる。無言って言うのもなんかねぇ・・・

い「熱くてもう歩けないよね。」
アメリカ人「そうだね―――」

お、終わりかいっ!!言葉のキャッチボールという事を知らんのかいっ!!
と思いきや、彼らはフランスから来た女の子やドイツ人のオッサンとボチボチ話をしている。私はというと、さっきの日本人2人組が1泊2日ツアーだったので話し相手がいない。
なんだよ。結局、黄色人種とは話が出来ませんって言う事かいっっ!!
帰りのマイクロバスでは、白人(アメリカ人?)の1人旅をしている女の子の隣に座り、ちょっと話をした。彼女はそんなに私を区別している様子はないようだ。一人旅を愛する同士だし、感性が同じなのかしらね。
数時間小さなマイクロバスに揺られてやっとホーチミンに到着。車を降りて解散。ここでもアメリカ人やフランス人の面々は彼ら同士で『楽しかったね。じゃあ、バイバイ』と軽く挨拶をしていたのだが、私はハブにされてしまった。

この時ほど、自分がアジア人・黄色人・有色人種なのだということを痛感した事は無い。いや、この時初めてそう実感したのかもしれない。今まで抱いていたアメリカやヨーロッパに対するイメージがずいぶん変わった一瞬だった。

日本人はアジアの一員というより、アメリカ人のはしくれと認識している(したい)のではないか?名誉白人?黄色いバナナの皮をむいたら白い中身が出てくるとでも??
経済圏の面から見ても、アメリカや統合されつつあるEUと対等に生き残っていく為にも、日本はアジアの1国に過ぎないと自覚して同じアジアの地域と同じ目線で団結していく事が大切なのではないか―――と思えて仕方が無い。



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