ほんの1週間前ドンムアンに降り立った時は、自分一人。これからどんな人と出会えるのかなぁとか、どんなことが起こるのかな・・と期待や不安が入り混じった感情だったのだが、今私は、友人もできて楽しかったバンコクを後ろ髪引かれる気分で離れようとしている。 なんだか、人生もこれの繰り返しなのかな・・・とちょっと感傷的になってしまう。行き交う年もまた、旅人なり――だっけ?? ドンムアン空港はいつもと同じようにたくさんの観光客が降り立ち、また旅立っていく。 バンコクからホーチミンまでは、ベトナム航空に乗る。ベトナムはまだ社会主義国だし、ナショナルフラッグの「ヴェトナム航空」はどんなことになっているのかしらん・・・と、以前唯一乗ったことのある社会主義国のエアライン:アエロフロート(ロシア航空)でのトラウマで頭がいっぱいになり、不安だ。 チェックインを済ませ、時間を待って搭乗する。 席に着くと、キレイな、でもちょっと話しかけづらい感じのスチュワーデスさんがお手拭を配ってくれる。機体はやはりあまり新しい物ではない。 でも、エンジ色と白色の上下で出来たアオザイを着たスチュワーデスさんは一見の価値有り!!キレイです、本当に。華奢な感じでウエストが細く、すらっとしたシルエット。で、ストレートで長い黒髪を一つに束ね、意志の強そうな黒い瞳。ステキすてき★ 離陸後いただく機内食はアジアンテイストで、お肉と小松菜のような香りのする青菜がぴり辛オイスター味ソースで仕上げられている。かなり美味しい☆でも、欧米人の方にはちょっと不向きかもね。 中古本で手に入れたベトナムガイドブックには、空港に着いたら一気にタクシーやらホテルやらの客引きに取り囲まれるので、これをくぐり抜けることがヴェトナムをエンジョイできるか否かの第1歩だ、とあった。公共の交通機関はまだ整備されていないらしいので、タクシーに乗るより他に手段は無い。 さすがにヴェトナムは初めてなので、初日の夜はホテルを取ってある。なんとかホテルまでは辿り着かねばならぬのだっ! スケジュール組みで少し後悔したのは、ホーチミン着が夜になってしまったことだ。昼間なら多少時間がかかっても余裕があるし、視界が広い分まあまあ安心なのだが、今回は夜着だ。頭の中で、到着からホテルまでの行動を慎重に事前検証してみる。ああ、緊張でお腹が痛い〜〜〜〜!!! 機体がだんだん高度を下げ、窓からはホーチミンの明かりが見えてきた。到着だ。 リュックを背負い、イミグレーションに向かう。 ところで、ヴェトナムに行くには必ずヴィザが必要になることはご存知の通り。でも、そのヴィザが自分で取れることを知っている人は少ないのではなかろうか。 私がチケットを手配した新宿の「アクロス」の担当者:リーさんは、マレーシア人。色々な意味でかなりすごい人だった。マレー語・英語・日本語・中国語・・・を自在に操れる人で、見た目は巨大な汗かきアンパンマンみたい。彼は本当に良くいろいろな国のことを知っていて、アドバイスをしてくれた。 ヴェトナムヴィザについても”私達で代行してとることも出来るが、もし時間があるなら自分で取れるからそちらの方が安上がりですよ”と教えてくれた。私はその時、ちょうど会社を辞めて暇だったので自分でとりに行くことにした。 しかし、どこへ??何を持って?? 在日ヴェトナム大使館のHPを検索して取得方法・大使館所在地を確認。しかし、ヴィザ取得に必要な金額や日数等の情報が無い!!ええええぇぇぇぇ〜〜〜。 どうやら個人で申請できるようになったのも最近のようで、社会主義国故なのか、積極的にそういった情報公開はしていないようだった。 大使館の場所は小田急線代々木八幡が最寄らしい。おー、代々木八幡といえば、新入社員研修のときに初めて通ったモデルルームがここにあったっけ。入社したてで期待に胸膨らませていた (?)私と、退職して旅立つためのヴィザを取る為にここに来た私。不思議な感じだ。 プリントアウトした簡単な案内地図を片手に心もとなげに大使館を目指す。 ええ〜と、駅を下りたら遮断機を渡って、上に走っている道路にでる・・・そしてしばらくまっすぐ歩いたら――ああ、ここかな♪ この角を左に曲がって、坂道を登って・・・・よいしょ、よいしょ。 わおっ。たどりついた!辿り着くのは当たり前なんだけど、ちょっと感動。 |
自らの手で取得したヴィザが添付されたページを確認しながら、イミグレーションをすすむ。パスポートと一緒に記入済みの入国カードを出すのだが、”ヴェトナム英語”は他の国と違う英語の表現の仕方で良く分からない所も多く、でもまあ、何とかなるだろうと適当に書いてしまった。 それにしてもなんだ、このミョーな緊張感はっ!?こんな張り詰めた雰囲気のイミグレは初めてだぞ。シーンと静まり返っている。 お巡りさんのようなデザインで、ベージュ色の制服と帽子を身に付けた係官はものすごく横柄な態度。私の列は中年のオヤヂが担当官で、ブ厚いめがねを鼻までずり下げてパスポートと本人をチラチラと見比べている。 前の人が通り抜けると、オヤヂはこちらを見ながら机のガラスを「コンッコンッ」とたたく。それが”お前の番だ”という合図。 いよいよ私の番がきた。ううううう〜〜〜、やな感じ。 オヤヂ「オマエ、どのくらい滞在する予定だ?」(←英語です、もちろん。) い「5日間です」 オ「・・・・・・」 (←私とパスポートを交互に、チラチラ見比べている ) い「・・・・・??」 オ「そこでちょっと待ってろ。」 ええええええええ〜〜〜〜〜〜!?!?なになになにぃ〜〜〜〜〜!!! (ガタガタガタガタ・・・) ひぃぃ、お腹痛いよぉ〜〜〜。私を入国させてぇぇ。 でもなめられてはいけない、ポーカーフェイスで頑張るいまむぅ。 オヤヂは向こうのブースの係員の所まで行き、二人揃って私のほうをチロチロみている。 何だよ、ふざけやがって。しかも、はずかしぃ〜〜〜。 (私の想像) オ「オイ、このパスポート日本人用だけど、あそこにいる奴、日本人に見えるか?」 係「う〜ん、微妙ッスねぇ〜。」 オ・係「う〜〜〜〜〜ん。」 (想像終) オヤヂは結局決定的な不信点がみつけられなかったと見え、何とか入国させてもらえることになった。このヤロー。 タイでミャンマー国境付近から戻る際の検問に引っかかったこと(密入国のミャンマー人だと思われた )、街を歩いているときにタイ人にタイ語で『今何時ですか?』と聞かれたこと、買い物の時タイ語で値段を言われた事・・・ 事実を客観的に踏まえてみると、やはりここでも、何人かに間違われたということが濃厚だ。あああ。もういいよっ! でも、何人だと思われたんだろう。やっぱりタイ人かしら?? ところで、自分自身が「日本人である」ということをパスポートを含めて疑われたとき、これ以上何を以って証明したらいいのだろう。 いまだにそれがわからないし、特に私の場合、そういうものがあれば早めに会得(取得)しておきたい。 誰か教えてください。 |