それ行け!OLバックパッカー

シンガポール〜タイ〜腐ってもタイ


痛〜い、ピピ島

今日は、映画『ザ・ビーチ』のロケ地として有名なピピ島へ向かうのだ!なのに、朝から曇り空、大丈夫かしら。
数日前に旅行会社へ赴いて予約済みだったので、早朝のお迎えの車がホテルまで来る事になっている。早めに起きた私たちは朝食をとり、バイキングのパンを沢山バックに隠し持ってロビーへ向かう。なぜパンを持ち出したかというと・・・

ピピ島クルーズの予約をした時の事。

い「じゃあ、9/21に予約お願いします。代金は一人2200Bですね。」
担当者「はい。当日ガイドに手渡してください。」
い「持ち物は、何がいりますか?」
担「まぁ、普通に水着とタオルとビーチサンダルとか。タオルはホテルで借りられるので、それを持っていったらいいですよ。」
い「そっか。」
担「あ、あと、食パン持っていった方が楽しいかも。」
い「?」
担「魚にあげるんです。凄く沢山魚が寄ってきますよ〜。全然警戒心無いみたいで。」

ということなのだ。でも、いくら警戒心無いっていったって、そんな言うほど魚が寄って来るもんなのかしらねぇ。
とにかく専門家の言う事には素直に従い、私たちの手提げバッグからは美味しそうなパンの匂いがしているのである。

お迎えの車は時間より早く到着していて、早速マイクロバスに乗り込む。請負ツアー会社は『シー・エンジェル』。なんか、新宿にありそうなお店の名前だわ・・・・。
シー・エンジェル号はカマラベイからパトンへ向かい、他のホテル客をピックアップしていく。私たち以外は全員欧米人で、車内は英語の嵐だ。

車で走る事数十分、ようやくピアまで辿り着いた。車から降りると係りの女性がツアー代金を回収し、胸にシールを貼ってくれた。
海には中型のフェリーが数隻停泊していて、手前のフェリーを通って奥に停まっているシー・エンジェルのフェリーへ乗り込む。
2階の甲板には白いプラスチックの椅子が並べられてあり、その奥にはエアコンが効いている客室がある。私たちは甲板に席を確保し、出航を待つ。

い「なんだかさ、天気は大丈夫かしら・・・。」
Z「降りそうだよね。」

私の席の隣にはインド系の親子三人が座っていて、小さい女の子がチョロチョロしていてかわいい。何歳くらいだろう、ウチの甥っ子(1歳)よりはお姉さんだわ。
さあ、いよいよ出航だ!

結構波でユラユラするわね・・・と思いつつ、風を感じながらのクルーズは心地良い。アナウンスは全部英語で、一応行き先案内などをしてくれている。

い「アナウンスで言ってたけど、この船のコーヒー・紅茶はサービスらしいよ。下の階のカウンターだって。」
Z「そういえば、さっきから何か配ってるみたいだよ。」

などと言っていると、下の階から、後ろから、沢山の人が一斉に客室めがけて走ってきた。なんだなんだ!?
――――不思議に思っている間もなく、一瞬の内に大粒の雨が降ってきた!しまった、スコールだ。
私たちも客室内をめがけて荷物を持って走りこむ。なんてこった。しかも、客室内はエアコンがギンギンに効いていて、雨に濡れた体の熱がどんどん奪われていくのだ。
さぶい、さぶいっす。タイのお店などは、エアコンをガンガン効かせることがサービスの一つと思っているのではないかと思えて仕方がない。タイだからといって、上に羽織るものも何も持たずに外出するというのはかなり危険なのだ。よかった、今日もパーカー持ってきてて。もし日照りでも、日焼け防止に長袖は必ず持参するのが習慣となっているのだ。

暫らくするとスコールも収まり、一人また一人と甲板に戻っていく。私たちも甲板に戻り、体温を上げることにしよう。

Z「とうとう降られちゃったね。」
い「仕方ないよ、それを承知で雨季に安く来れたんだから。」
Z「ま、そうだよね。」
い「・・・・・・・・。」
Z「?」
い「気持ち悪いかも。」
Z「まじで!?」

あああ、超悲惨。船酔いだ。こんなに揺れる船に、こんな長時間乗っているとは思わなかったのだ。ああああ。気分悪い。

い「マジ、やばいかも。」
Z「大丈夫?」
い「客室の椅子に座ってるわ。」
Z「うん。」

後はまさに『自分との戦い』。
気分の悪いのにも波があって、『もうだめかも・・・。』『あ、ちょっと良くなったかな』の繰り返しで、外の景色を眺めるなんて余裕は全くもってない。
うううう・・・・おえっぷ。
サービスのコーヒーとミニケーキも優雅に食べる事などできたもんじゃない。
ううううう・・・・・もうダメだッ!!!
下階のバスルームに駆け込み――――あとはご想像にお任せします(泣)。とにかく早く到着してくれよぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜。
なのに船は遠回り遠回り。だって、観光船だから。

アナウンス「こちらが○○島で――ここが△#ベイです・・・・。」

全く私の耳には意味を成さない音として入ってくる。
まだ着かないの?まだ着かないの???まだなのぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜!?

途中で別のツアー客が下船し、ようやく第一の目的地マヤベイに停泊したフェリー。ここで私たちはシュノーケリングをするのだ。
とにかく停まってくれて良かった。

みんなはゾロゾロ下に降りていき、ゴーグルやフィン、救命胴衣などを身に付けている。私も何とか立ち上がり、折角だし少しは海に入っておこうとZさんと一緒に降りていく。乗船してからず〜〜〜っとイチャイチャしている欧米人カップルを尻目に、ゴーグルやらフィンやらを準備する。

い「フィン、これ以上小さいサイズのはないんですか?」
係り1「うーん、これは?」
い「大きい・・・。」
係2「もう小さいのは無いから、無しで行ってください。」
い「――はい。日本でも小さいサイズコーナーに行かないと無いんだから、仕方ないか。」
Z「そうか。救命胴衣、着れる?」
い「うん。――これで良いのかな。」
Z「ゴーグルは?付けてみて。」
い「(グリグリっと付けるが・・・)なんか、頭の後ろのゴムがズルズル下がってくるんだけど。」
Z「え、ちょっと――(グリグリッと直す)これでどう?」
い「うーん、直ぐに落ちてくるよぉ、何で?」

と言っているうちに、みんなは海へ入ってしまった。あああ、早くしなければっ。

タイ人兄さん「あ、あなた、救命胴衣、これじゃあ大きすぎてスルッと脱げちゃうよ。こっちの着て。」
い「あ。有難うございます。」
タ兄「ゴーグルも・・・・(グリグリっ)これで、なんとかどうかな。」

きっと私たちのモタモタぶりに黙ってられなかったのだろう・・・親切な方だ。

そして私たちはようやく海の中へ。Zさんはスイスイとビーチに向かって泳いでいってしまう。あああ、待って待って。
うわ、海、きれいだわ。でも良くみると岩がごろごろ、ウニはごろごろ。大丈夫かな。
しかも案の定ゴーグルがずれてきた。私の頭の形が絶壁だから悪いのかなぁ・・・あああ、イライラしてきた!!

い「あああああああああああ、もう、ヤダッ。」

イライラが爆発してゴーグルを脱ぎ捨てるいまむぅ。

Z「どうしたの?」
い「だってゴーグルが落ちて来るんだもーーーーん(泣)。」
Z「ほら、付け直してあげるから・・・これでどう?」
い「落ちてくるよーーー。」
Z「うーん、なんでだろう・・・これくらい締めたらどう?」
い「あーん、ダメっぽいよぉ。」

い「あぎゃぁぁぁぁぁーーーーーっっっっ!」
Z「なに?」
い「いだぁぁぁぁぁぁーーーーーいっよぉぉぉぉぉぉ〜!!(←痛い)足がっ・・・。」

見事にウニをブスッと踏んでしまったのだ。あ〜あ、危ないなって、思っていたのに。足を水面に出してみると、右足かかとから土踏まずにかけて、真っ赤な血の点が8つついている。なんてこった。

い「ああああー、もうやだ、もうやだ、も〜〜〜〜、やだぁぁ!」

情けなさのあまりに涙が出てきたよ・・・・。くやしいっ。
するとビーチの方からさっきのタイ人兄さんが泳いで助けにきてくれた。

タイ兄「どうしたの?」
い「(泣)あ、足が・・・・いたいよぉぉぉ。」
タイ兄「うわ、大丈夫?とにかく船に戻ろう。」
い「ふえ〜〜〜〜ん(泣)。」

タイ兄に手を引かれ、Zさんに後ろを押され、私は汚い泣き顔を水面に浮かべながら船の方へ引っ張られていく。ああ、ハズカシイ。タイ兄は力強く私の手を握って引っ張ってくれる。もう、なされるがままの状態・・・・ふにゃふにゃになっているいまむぅ。
ズルズルッと甲板に持ち上げられ、椅子に座らされる。私の周りにはタイ人スタッフやらガイドさんやら他のお客さんやらが取り囲み、口々に慰めの言葉を掛けてくれる。

タイ人ガイド「ちょっと見せて――ああ、8っつも刺されてるね。痛いけど我慢して、中に何か入っていると痛いから。」
い「?」

傍らにあった棒で、痛みがピークの流血した私の足をビシビシ叩き始めたではないか!

い「びぇ〜〜〜ん(泣)、痛いよ痛いよぉ、いだぁーーーーーぃ。」

とにかく、ショックで泣くしかできないいまむぅ。

Z「痛そ・・・。」

タイ人ガイド「中には何も入っていないみたいだ。大丈夫、もっと酷い人沢山見たことあるよ。今は痛いけど、少しずつ治るから。」
タイ兄「今日は海に入れないけど、明日には入れるよ。もう悲しい顔しないで、笑って笑って。ね?」
い「うん。」
タイ人ガイド「レモンがあったら消毒にいいんだけど・・・ピピ、ピピ。」
Z「ピピ?」

Zさんを指差して『ピピ』というガイドさん。

い「あ、おしっこのこと。」
Z「はぁ?」
タイ人ガイド「いや、冗談じゃなくてそれが消毒にいいんだよ。そこのトイレに入ってアナタのおしっこ、かけたら消毒になるんだよ。ね?」
い「(泣)いやだぁぁぁーーー。」
Z「?」

ガイドさんは英語で話しているので、Zさんは状況を飲み込めない。

い「トイレに入って、おしっこ掛けてもらえって言うんだよぉぉー、消毒にぃぃ。」
Z「でも、それが良いって言っているんでしょ?」
タイ人ガイド「ほら、行かないの?アナタ(Zさん)がやらないなら、ボクが代わりに今すぐにでもかけてあげたいくらいだよ(笑)。」
い「いやだっ。」
タイ人ガイド「それは冗談だけど(笑)、本当はそうした方がいいんだよ。」
Z「どうする?」
い「いやだ!」
タイ兄「大丈夫、大丈夫。数時間もしたら痛みも引いてくるからさ。」
い「うん。」

その後も、色々な人に『見せてごらん・・・あー、痛いね。元気出して、直ぐよくなるから。中には何も入っていないんでしょ?』『笑って、笑って!』と声を掛けられてしまった。本当にみんな優しいじゃないの。たまたま乗り合わせただけなのに、他のお客さんまで心配してくれるのだ。

その後、本島で昼食を取りピピ島内をブラブラ。『もう痛くないでしょ?』と元気付けられながら帰りの船に乗り込む。

ここでようやく、私たちの持ってきたパンが活躍してくれた!満足にシュノーケリングも堪能できなかったので、船の甲板から海にパンをちぎって投げ入れてみると・・・・なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!?グロい程の数の熱帯魚達が群がってくるではないか!マジっすか、これ。

試しに遠くへパンを投げると遠くに群れが大移動し、パンが無くなってきたのを見計らって手前に投げ入れると今度はほとんど足元といっていいくらいの至近距離に魚群が輪を描いてやってくるのだ。

 

い「ちょっと、キモチワルイ位だよねぇ。」

Z「人に慣れてて全然警戒してないよね、本当に。ビックリだねぇ。」

い「これさ、タモ入れたらワサッと魚のすくい取り漁ができるよ、絶対。」

Z「なんでいまむぅは食べる事ばっかり考えるのー。熱帯魚は食べちゃいけないのっ。美味しくないよ、きっと。」

い「だってさ、しょうがないじゃん、ウチのおばあちゃんち漁師だモン。」

程なくして船はプーケットにむけて出航。
帰りは船酔いの恐怖と戦いながら何とかすれすれでプーケットのピアへ到着。下船して解散というとき、面倒を見てくれたタイ人兄さんが立っているではないか。

い「今日は本当に有難う。」
タイ兄「いや、元気になってよかった。今度また、ピピ島においでよ。ピピ島には良いホテルもあるしさ。」
い「そうだね。」
タイ兄「じゃあ・・・」
い「あ、あの。」
タイ兄「なに?」
い「一緒に写真とってもらって良いですか。」
タイ兄「モチロンだよ!」

い「じゃあ、本当に有難う。」
タイ兄「じゃあね。」

本当に、お兄さんにはお世話になってしまった。彼はどこかのツアーのガイドだったようだ。写真を渡す事ができないのが残念だわ。
とにかく、色々あったピピ島クルーズだった。

はぁ。

 



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