それ行け!OLバックパッカー

タイ編

いまむぅ、危機一髪!

だんだん日の色が白色からオレンジ色を帯びてきたので、そろそろ寺院も閉まるようだ。私も暗くなる前にカオサンに戻るとするか。行きは楽しく歩いてきたけど、帰りはちょっとだるいしどーしよ―かなー・・・・と超迂闊にも、あろうことか地図(初心者観光客の証)を手にしたままボーっと交差点で立っていたら、怪しいオヤジ登場。

オヤジ「これからどこ行くんだい?カオサンか。だったら20Bでいけるよ。」
い「20B!?安い!」
オ「20Bもあったら、ラッキーブッダ、ミキモト、スタンディングブッダをまわって帰れるよ。今日は君、ラッキーだよ。お祭りの最終日なんだ。安く行けるよ」

とか何とかまくし立てる。

『なんだったらオレがトゥクトゥクの運転手に交渉してやるよ』と、そこへトゥクトゥク登場。
『OK!20Bでそのコースね。君かわいいね。20Bはアジア人価格だよ。欧米人は違う価格だからさ』などとお喋りして運転する男。

『今日は、ラッキーブッダもただで見れるし、ラッキ―だね』と言われて連れて行かれた小さなお寺では、自称教員の男がお祈りをしていた。
『ねえ、君知ってる?今日はミキモトエクスポで観光客限定の安い宝石販売会やってるんだ。カタログだけでも貰って来れば?』と言う。また違う男は、『オレは明日息子の待つカナダに行くんだけど、君は時間があるんだからミキモトへ行くべきだ。安いし、日本で売ったらぼろもうけだ!』と家族の写真やら身分証明書やらを見せながら熱く語る。『興味ないから』と言っても聞かない。おい、オッサンよ。

やっと寺院から出てみると、待っていた運転手が『じゃあ、ミキモトに行こう!』と言う。えー。帰りたいんですけど・・・。
運転手によると、そこに行くとガソリンクーポンを貰えるのだが、中には観光客しか入れないから行ってもらってきて欲しいということだ。どうせ暇だし、悪そうな運転手じゃなかった(様に見えた・・)からつい、OKしてしまった。

着いたところは、フツーの宝石屋さん。ただフツーと違う所は、入り口に警備員のお兄さんが立っていて、ドアが固く施錠されている点かな。促されるまま中に入ると、ショーケースにたくさんの宝石が!!私はもちろんお金も買う気も無いのでフラっとして帰るつもりだった。すると、化粧の分厚い店のオバハンが・・・

オバハン「これなんか如何?」
い「私、お金も持ってないし、見ても仕方ないんです(いやーん、怖いよ〜)」

と私が控えめにいうと!オバハンの態度が一転!!

オ「お金ないなら、こんなトコ来ないで観光してなさいっ。」

ぬゎにおぉぉぉぉぉ〜〜〜〜!!!(怒怒怒怒っ!!)

くそばばっ。勝手に連れてきておいてその言い草は何よ!!
それでも無知でけなげでカワイイ私は『ガ、ガソリンクーポンが・・・・』と言うものの、『は!?何言ってんの、この子』とあしらわれ、あっさり外につまみ(?)出された。運転手は外で談笑中。
『ちょっとぉ!帰るわよ!!』と怒って言うがひょうひょうとしている。クッソ〜、ぐるになってる!
再び出発すると今度は『タイシルク屋に行かないか』と言う。

い「帰りたいの!!」
運転手「ガソリンクーポンがないと20Bでおさまらないんだ」
い「さっき、ガソリンクーポンなんて無いって言われたよ!」
運「お店に少ししか居なかったからだ。少なくとも10分居てくれないと困るんだ。買わなくていいから、ネ、行くだけでいいんだ。」

と食い下がる。乗ってしまったのが運の尽き、
ここがどこかも分らないし、渋々承諾した。『10分居るだけだよ』。

幹線道路の高架下を走り、着いた店がまた、警備員+ロックつき扉のタイシルク屋。中に入ると、タイ人版根津甚八・ヤクザ風味刺青付きのオッサンが私にマンツーで営業に付いてきた。しかも出入り口は施錠されてしまった!
壁には、ここでオーダーして作ったスーツを笑顔で着ている観光客たちの写真がべたべた張ってある。値段も高い!私は何とか10分持ちこたえられる事を祈りながらひたすら耐える。奥では、欧米人の女子学生2人組みが、何とか営業をかわそうと必死で店員に訴えている・・・・。

取り合えず目の前にあるタイシルク500Bを手にとったりしていると、しつこくタイ風根津甚八が付いて来る。
よし、10分経った!!と思い、ドアに手をかけると
―――きゃーーーー。ドアが開かないよぉぉぉぉ!!
怖いっっ。ニセ甚八がにじり寄ってくる!!

甚八「何で何も買わないんだ!こんなにカワイイ、素敵なシルクばかりなのに!」
い「選ぶのは私でしょ。今日は色々みて、一晩考えて明日買うから、いいでしょ!」
甚「明日買うなら、今日買っても同じだ。今日買え。今日選んで決めろ」
い「一晩考えさせてよ。」
甚「お前、どこのホテルに泊まっているんだ!?」

きゃー、もっと怖いことになってきたわよぉぉぉぉ〜〜〜〜。タ、助けてぇ・・・といっても誰も助けてくれないわっ。

い「アジアホテルに泊まってるよ。(嘘)」
甚「何号室だ」
い「207号室(これは本当)」
甚「何人で来ているんだ」
い「2人だよ(大嘘)」
甚「そいつは男か、女か」
い「男だっ!(と〜っておきの大嘘)」

目の前の扉からちょうど人が入ってきた。その隙にするりと外に出られた!!
『明日来るからね〜〜』と一応言い残し、私のお抱え最悪極悪運転手の所に向かう。

い「ちょっとアンタ!!!」
運「あれ?よく何も買わないで出て来れたねぇ〜。」

ぬゎにをぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜!!!このヤローっっ。(怒怒怒っ!)

い「もう、カオサンに帰してくれるでしょうね!」
運「分ったよ」
い「20B以上、アンタに払わないわよッ!」
運「分った、分ってるよ。」

走り出してもなお、知らない所に連れて行かれる不安に駆られて、キョロキョロしてしまう。でも、暗くなったし、全然分らない――あまり刺激しても怖い事になりそうなので、笑顔で文句を言っておいた。
すると、ガソリンスタンドに入っていく。ここで彼は私に20Bを請求した。再スタートし、何とか、カオサンで降ろしてくれたからまだ良かった。

強がっていたものの、もう、ひざはガクガク、心は不安で一杯。屋台に繰り出して夕食を取るエネルギーもなくなり、ゲストハウスの1階で食事を取る。欧米人が好みそうなオープンカフェ風レストランでは、大画面で何かの洋画が流されている。お洒落なメニューブックからパッタイを頼み、ほっと一息。
運ばれてきたパッタイは、これまた欧米人好みに中途半端に味が変えられた物で、しかも50Bもして、ちょっと後悔。まあ、こんな日もあるということで。

部屋へあがる時に水10Bを買い、明日のチェンライ行きに備えて寝ることにあいよう。朝5時位に発だからタクシーしかない。
こんなコワイ思いをした後だけに、早朝のタクシーは怖いなぁ。ああ・・・。


<前   後>
目次へ
別館TOPへ戻る


アジア情報満載!『本館』へ