それ行け!OLバックパッカー
タイ編

一夜明けて・・・

バンコクのゲストハウスで初めての朝だ!何か、爽快なキモチ。Bed&Breakfastはその名の通り朝食付きで380B(≒1100円)。
トーストとマンゴー、それにコーヒー。眩しい一階のエントランス兼レストランで朝食を取っていると、おそらく早朝便で到着したと思える欧米人の女性が大きなバックパックを背負って宿を探している。何となくこのゲストハウスの主になったような気がして、『ここのゲストハウスいいよ』と言ってあげたいような気分だ。
隣のテーブルの男性は(欧米人)英字新聞を読んでいる。その隣では、ここで知り合ったと思われる日本人の女性と、これまた欧米人の男性が談笑している。
「うっわ〜、何いってるかわかんないよぉ。」
早くこんな感じに喋れる様になりたいもんだ。
その男性はいつもこの場所で何か紙を広げて書いている。仕事か・・・・いや、限りなくただの暇つぶしっぽい。

今回は、タイ好きな友人オススメの場所『チェンマイ』に行く事に決めた。
バンコクは今や、世界で一番ひどい交通渋滞で知られる大都会。SOGO、東急、伊勢丹・・・・何でもあり。一方、タイの最北端の地チェンマイはまだ、私たちが思い描く『タイ』の風景が残っていると聞いた。

朝食後早速、BTSに乗りHISに向かう。そこでチェンライ一泊2日観光をブッキングしたのだが、ガイドつきの普通の観光は何て高いのだろう!結局飛行機代込みで14000円程を支払った。これがこの旅行で一番の出費となった。

HISを出るともうお昼。オフィスビル街からお財布を持ったOLサン達が屋台へと繰り出してきた。私も彼女達に混じって20Bのセンレックナームを注文。歩きつかれて汗ダラダラの上に、熱い丼。たまらん!
ちょっとおやつに露店のお菓子屋さんで10Bのお菓子をぱくり。エンポリウム横のベンチャシリ公園で一休み一休み――――。

タイの女子大学生は白いシャツに黒のダイトスカート。ウエストがキュッ!細い足がスラ〜ッとしていて、最近は色白の子も多くてカワイイ。同じアジア人で、こうもお尻の形が違うモンなのか!?とちょっと、いやかなりジェラシーの目で見つめてしまう・・・。

その後、またふらふら歩き出しBTS沿いにラマ1世通りを進む。帽子・サングラス・サンダル、手には水のペットボトル。もうあまり客引きに声もかけられなくなってきた。よしよし。

一応人並みに、タイのセラドン焼きで有名なセラドンハウスに立ち寄ってみよう。
ひんやりとした店内には、お金持ちそうな(!?)欧米人のマダムが二人、なにやら真剣に交渉中の御様子。焼き物を手にとって見ると、それぞれうす青やら緑やら綺麗な色の上薬が細かく網の目にヒビ割れている。セラドン独特のその表情に良し悪しは分らずとも、何となく良い物なのかなァ、と思ってしまう。でも、買わないわよっ!お値段も結構高いし・・・。

手ぶらでセラドンハウスを後にして、今度はシーロムへ向かう。BTSで35B。終点のSaphan Taksinで降りてプラプラ歩く。途中、タイ人がたくさんお買い物にきているデパートなどを物色し、最上階にあるフードコートの様子などを伺うが何となく踏み込めず、煮え切らない気分でパッポンの方へ歩き続ける。さすがにお昼の麺一杯では腹持ちが悪かったと見え、幹線道路の高架下の屋台でゴマ揚げ団子(10B)を一袋買って歩きながら食べる。日本でもよく中華街で見かけるあの、アンコの入った団子が7〜8個位入って約30円!いいねぇ。日本じゃ1〜2個で100円だったかな。

パッポン到着!パッポンは日本の歌舞伎町みたいな所。私が行った時間はまだ薄明るかったので開店準備中という雰囲気だ。ご出勤前のお姉さん(お兄さん!?)がお買い物をしていたり、露店のバッタモン売りの屋台の骨を組んでいたり。夜の盛り上がりが想像できるな〜〜〜。
うむむ。でも女一人じゃねぇ。

更に歩き続けて、また一休み。31アイスクリームで『ワンダーエンジェル』(サンデー)48Bを食べる。これが夕食という感じになってしまった。

さすがにもうヤワラート(中華街)に行く体力も気力も無いので再びBTSでサイアムへ戻る(15B)。
そうだ!今日はインターネットカフェに入るのを目標にしていたんだっけ。
A One Innの1階はインターネットカフェになっていて、そこに入ろう決心した。何気に近くのコンビニで『FREE INTERNET』とか書いてあったのだが、FREEっていったい・・・・あまりに信用できなかったのでやっぱり A One Innへ。
15分25B・・・た、高すぎ。1H100Bの計算ね。ひとまず、今日は15分で!!


憧れのカオサンへ

翌朝、バンコクでのホテル初清算。『ぼったくられたらどうしようよう・・・宿泊日数ちゃんと分ってんのかな』、という私の不安をよそにきちんと清算してくれた。あー、どきどきした。でも、朝食付きで380Bは安かったよな。
今日からいざ、憧れのバックパッカー天国・カオサンへ移動するのだ!

リュックを背負い、地図を片手に歩く。タクシーかトゥくトゥクを拾えば早いのだが知らない道を遠回りされてボられたら嫌だし、行けるる所まで歩けば途中で拾ったとしても安いかな・・・と考えた。しかし、超良い天気のバンコクを数キロ重いリュックを背負って歩くのはかなり大変〜。
途中タイの女の子に『Where Are You Going?』と聞かれた。何で??何か悲壮な顔でもしていたのかしら・・・。

ようやく、カオサンまでまっすぐ続く一本道のペッブリー通りまで出た!ここまで来れば悪徳運転手にも道をごまかされないぞ、と確信した所に信号待ちのトゥクトゥクオヤジ登場。

い「チュアイ パーパイ カオサン(カオサンに行きたい)」
オヤジ「?」
い「カオサン!」
オ「80B」

80Bって。おっさん、なんだかサバ読むにもえらい中途半端な金額・・・・。
「30B!」と押すと「50!」と折れてきた。『50じゃ高いし、も―いいよおじさん』と言ったところで信号が変わり、『とにかく乗れ』『40ね!!』『・・・』乗ってしまった私。果たしてオジサンは40Bで納得したのだろうか??
ポケットのお金を見てみると――50B札しかないじゃないか!!しまったぁぁぁ!こういう時はお釣りが無いようにしてサクッと渡して歩き去るのが一番なのにぃ〜〜〜〜。
緊張してきた。あー。どーしよ。

そんな私を乗せたトゥクトゥクは快調に飛ばす。帽子を取った髪が風を切って心地良い。歩ける距離だと思ったら結構遠いのね・・・・カオサン。おっちゃん、40Bじゃかわいそうかなぁ。
民主記念塔を過ぎ、しばらくして右折。なんだか急にごちゃごちゃごみごみしてきたぞ。

オ「着いたよ」

おおおお、ここが憧れのカオサンロードか!まさに人種の坩堝!!!

お初のカオサンとトゥクトゥクの爽快さに気を良くした私はおっちゃんに50B札を一枚渡し、『これとっといて』と、気前よく去ったのでした。その時のおっちゃんの笑顔が忘れられません!

いわゆるカオサンロードは、欧米人向けのカフェやナイトクラブがひしめき合い、その2階部分や裏路地にゲストハウスが乱立している。毎晩お祭り騒ぎが繰り広げられるこのエリアは、どうも環境がイマイチになっているようだ。最近は更に1本北側の道路をはさんだワット・チャナソンクラム周辺に、新しめで清潔なゲストハウスが増えてきたらしい。その情報を立ち読みで得ていたので、勘を頼りにチャオプラヤ川方面に歩く。
すると背後から『あ、日本人ですか?』とヒゲ面の日本人のオニイチャンに声をかけられた。

オニイチャン「○※にはどういったらいいか分かります??」
い「来たばかりなんで、分らないんです。宿もこれからだし・・・」
オ「今僕の泊まっているGH、安くていいですよ。ドミトリーなんですけど30B(だったかな)なんです」

『・・・・いきなりドミは・・・しかもそんなに安いっていったい・・・』
そのオニイチャンと別れ、目的の細い路地に入る。
あ、これこれ、ガイドブックに載ってたのってた!
Sawadee Smile Innに決め、空室を聞く。エアコンつきシングル370Bにした。部屋を見たら、きゃー、汚い。何これ!?バスルーム(兼トイレ)がどろどろ。土足で歩き回った感じだ。

い「あの―、私の部屋汚いんですけど」
フロントのお姉さん「これからルームクリーニングだからちょっと待ってて」

店先でリュックを降ろし座ってしばし待つ。
『・・・!ユミ!ユミ!』自分の名前を不意に呼ばれ振り向くと、早めにクリーニングしてくれてもう入っていいという。ありがとう!!

すっかり綺麗になった私の部屋は明るい外に面したルーバー付き小窓があり、TVではMTVが流れている!良いジャンいいじゃん。すっかりご機嫌になったぞ。
お昼にもなったし、カオサンを散歩がてら昼食をとろう。

良さそうな食堂の軒先を覗くも、すぐに注文する勇気が出ずにウロウロ。すると『ハ〜イ』と外国の方(ここでは私も外国人なのだが)に話し掛けられた。自称、オーランドから来たタイ好きのタイスさん。
オーランドってどこだっけ??あー、オランダね。先日も外国人の友人に『ベルギー』といったら全く通じず『ベルジャン』ということを知ったっけ。

メールアドレスの交換をして、私は近くの飯屋に。中華系の料理屋のオヤジの薦めるナスとチキンのカレーをご飯に盛ってもらいテーブルにつく。切り抜いてきた地図をゆっくり眺めていると・・・・『あ、日本語ですね♪』と流暢な日本語で話し掛けられた。顔をあげてみると、ほっそりとした上品そうな西洋人のヒゲのオジサマが立っていた。その手には日本のフツーの単行本が一冊握られている。

『ここ、いいですか』と私の向かいに座ると、彼もご飯を注文。しばし日本語で談笑タイム。
どうやら、彼は旅を愛するイギリス人で名前はポールさん。物書きなどをしているのでPCさえあれば世界中どこに居てもいいらしい。その上日本人の彼女がいるとの事。

ポールさん「タイに来て彼女と一緒に歩いていると、アジア人女性を買いに来た西洋人とその買われた女、みたいな目で見られてとても嫌なんです。”私たちは違います!”というカードを胸につけたいくらいです」

楽しそうに語るポールさん。私たち日本人が忘れかけていた綺麗な日本語がこのイギリスの紳士の口から流れ出てくるのを聞きながら、少し反省。やはりメールアドレスの交換をして『いつかまた会えるといいですね』と言葉を交わし、私はワットポーへ、彼は別の方向へ歩き出した。
(面白い事に、後日ポールさんと新宿で再会することになるのだ)


ワット・ポーへ

最近の旅には必ず持っていくものに、カメラ・デジタルカメラ・A6サイズのスケッチブック・12色の色鉛筆(水を加えると水彩になるもの)がある。カメラもいいのだが、お気に入りの景色はやはりスケッチする方が良いと思う。
対象を目で捉え、頭で画像を変換し、それを手にアウトプットしていく作業は、私の心にその風景を刻み込む。絵を書いているともの珍しいみたいで、色々な人に話し掛けられたりして結構面白かったりするのだ★

カオサンを抜け、近道しようとしたグラウンドでぬかるみにはまって泥だらけになったまま、ワットポーを目指す。
女性は肌の露出が多いと入場を拒否される位寺院は服装に厳しいのだから、この泥だらけの私は拒否されないかな・・・・と真剣に不安になりながらプラプラ歩く。どうせ暇なのでチャオプラヤ川沿いの道へ出て川を眺めてみた。対岸にかすんで見えるワットアルン(通称:暁の寺)が美しい!!早速スケッチ開始だ!
と、後ろから『ワット・アルン?ボート?』と声をかけられた。振り向くと真っ黒に日焼けしたタイ人で、華奢な、でも筋肉質なお兄さんが立っている。どうやらここは、ワットアルンに向かう船着き場の一つのようだ。

い「すまんねぇ、船には乗らないよ。絵を書いているだけだから。」
お兄さん「絵か!?ちょっと見せて。へ〜、うまいもんだね。どこから来たの??東京??」
い「うん、まあそんなところかな。」
お「オレはオオサカにいたんだぜ!こう見えても強いキックボクサーだったんだ。」

といって、ポージング。タイの人はなんてお茶目なんだ!この人が本当にオオサカに行ったことがあろうが無かろうが、ボクサーだろうが無かろうが、こういうノリがいいね〜〜〜。
お客じゃないと知ると、彼は仲間と小屋に引き返してゴロリと横になった。私も絵を書き終わるとワットポーへ向かう。

ワットポーには何があるかというと、御存知、巨大な涅槃像。しかもオーーーール・ゴールド!日本と同じ仏教とは思えんねぇ、この煌びやかさは。
時間があればワットプラケオ(エメラルド寺院)にも行きたかったが、以前に行った記憶も新しいので今回はパス。
ワット・ポーに近づくと客待ちのトゥクトゥクやらタクシーやらが増えてきて、運転手達は皆暇そうだ。
『オネーチャン、ワットポーはもう閉まっている時間だよ。オレの車乗って帰りナヨ』とか訳のわからない事を言っている。本当に寺院が開いているかちょっと不安にさせられたが、ここまで歩いてきたのに、たどり着く前に諦めることはできないのだっ!!

案の定、寺院は開いていた。長く続く高くて白い壁から、僅かに金銀、赤緑・・・鮮やかな屋根が垣間見える。壁を抜けゲートでチケット20Bを買う。靴の泥がばれないことを祈りつつ(隠せるものでは無いが、気持ち的に)中に入る。
以前はツアーできたので、自分でチケットを買ったりガイド無しで寺院を歩くことがすごく新鮮。やればできるじゃん。でも広過ぎて肝心の涅槃像がどこだか分らん。
ぐるぐる回って、日本人観光客に『ちゃんと来た証拠』の写真を撮ってもらい(一人では風景しか撮れないので)、仏像の建物に入る。
下駄箱にきったないスニーカーを入れて中に入ると、おおおおおおっ!おどろっき。
何がって!?それは、工事中だからです。金返せ。いや、まあ、足の裏の端っこの方からかろうじてお顔を遠くに見られたし、いいか。仕方ないしね。

薄暗くてひんやりしたお寺の中は、エアコンが無くてもキモチ良い。他の建物に入ってみると、地元の方がお花やら果物やらを持参してお祈りにきている。タイ式に横座りをして、私も神妙な面持ちでお祈り(の真似?)をする。この建物には1体の大きめの仏像を取り囲んで中小の仏像が立っている。もちろん、ゴールド。ここでも私はスケッチブックを取り出し、たくさんの目線を感じながら『あ、しくじった!でもしくじって焦っていると思われちゃいかん』と余計な自意識過剰に悩まされつつ絵を書いているのだった。

寺院の裏に回ってみると、保育園の様な施設がある。その正面にも美しい寺院が立っている。
ボールで遊びまわっている子供達の声を聞きながらスケッチしていると、欧米人カップルに声をかけられた。

カップル「この目の前に立っている立派な木に、何で色とりどりの布が巻かれているのですか??」
い「・・・いやァ、ちょっと分らないんですけど。」
カ「何かあの布には意味があるんですか?」
い「だからぁ、私もツーリストなんで知らないんですぅ〜。」
カ「・・・あぁっ。ご、ごめんね。」

や、やばい。また完全にジモティーと間違われている!しかも、この子供達と一緒だと見えたのか??
ちょっとショック。


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