それ行け!OLバックパッカー

タイ〜タイ人オトコはジゴロなのか!?


最後のブレックファスト

今朝もお天気が良いみたい。
朝目覚めると、部屋の小さな窓がからまぶしい光が入ってきている。昨日は疲労困憊でぐ〜〜〜っすりと眠ってしまった。
今日は昼過ぎにバンコクへ戻り、夜はHRCへ行ってその足で空港へ向かう事になる。今晩はお風呂に入れないので今のうちにシャワーを浴びておく。
シャワーで眠気を飛ばした後は、荷物をまとめる。帰国前の荷造りって一番切なくなる一瞬だわ・・・お世話になった各地の地図やお土産をカバンに詰め込んでいくと、それだけで今回の旅を回想することになる。
ううう、ホントに帰らなきゃダメ??

チェンマイにはかなり身軽な状態で来てしまったので、お土産やら何やらで荷物が入り切らなくなってしまった。リュックに荷物を詰め込めるだけ詰め込むが、パンパンで格好悪いし破けそう。ヤバイよヤバイよ。
荷造りを大体終わらせたら、朝食を食べにでかけるとしよう。

1階のレセプションでセイフティボックスを開けてもらう。件のメイクの濃いオバサンに「開けて」とお願いすると「もう封はしないのね?全部オープンね?」と念を押される。そうです、もう預ける事はないのですよ・・・帰るだけだからね(涙)。
些細なオバサンの一言にも切なさがこみ上げてしまうわっっ。

貴重品を取り返し、中身を確認。よし、オッケー、無事でした!
だけど帰国までに使う分の所持金(バーツ)がやや足りないようだ。
これから朝食を食べて空港へ行って、バンコクに着いたら夕食とHRC、それにバンコク市内から空港へのタクシー代――今の内に最後の両替をしておこうかな。
手元の地図を見ると、このホテルからターペー門方面へまっすぐ歩いていく途中に数軒銀行があるようなので、ブラブラ朝食探しをするついでに立ち寄ろう。
街中をゆっくり回る時間が無かったから、涼しい午前の内に散策だ。

ターペー通りは朝のこの時間、まあまあ交通量があるようだ。ソンテウも頻繁に通っているし、その荷台にはタイ人が沢山乗っている。
地図を頼りに歩き進んで行くと、ありました、サイアムコマーシャル銀行が。窓口は今しがた開いたばかりという雰囲気で、両替ボックスの外でお姉さんとお兄さんがだべっている。「両替できる?」と声を掛けるとお姉さんがBOX内に入り、手続をしてくれた。
よし、これで本日分のバーツには困らないぞ。

再びターペー通りをプラプラ歩いていくと、地図には載っていないが数件の銀行がポツポツと並んでいる。朝早いのにみんな既に営業しているようだ。
なーんだ、さっきの銀行だけじゃなかったんだねぇ、”こんな時間に開いているかなぁ〜”なんてちょっと心配しちゃったじゃないのっ。

通り沿いのお店を眺めながら、良さそうなレストラン(か屋台)を探す。でもこの通りは飲食店は少ないようなので、結局ひたすらまっすぐ歩くことになりそうだわ。

男性「ハーイ!」

え??
前方から歩いてきた長身の外国人男性が、必要以上に慣れなれしい感じで声をかけてきたっ。きゃーきゃーっ、どーする??

男性「やあ、君、どこから来たの?」
い「・・・え、あ、に、日本からですけど。」
男「僕はね、ブラジルから来てるんだ。休暇なの?」
い「・・・そうですけど。」
男「どれ位の休暇なの?」
い「1週間くらい。」
男「1週間!?なんて短いんだ!!。」
い「――。」
男「僕はダンサーなんだよ〜♪数ヶ月後には日本に行く予定なんだ!その時は日本でご飯でも食べようよっ。」
い「――。」
男「ねえ、踊るの好き?」
い「・・・は、はぁ――。」
男「今夜さ、一緒に踊ろ〜よっ。リズムに乗ってサ。」
い「いやぁ、これからバンコクに戻って、その足で日本に帰るから。」
男「本当かい?残念だなぁ〜〜〜。僕はトニー。メールアドレス教えてよ!日本に行ったら一緒に飲んで踊ろうよっ!」
い「・・・。」

ブラジリアン、恐るべし。こうも親しげに歩み寄られると逃げ場が無い・・・。しぶしぶメールアドレスのカードを渡すと、彼は握手をして去っていった。
踊ろうよ、って(笑)。日本人には無い発想だわ。

そういえば昨夜はタムに電話しなかったんだっけ。もし今暇そうなら、明るいうちだし大丈夫かな、ちょっと電話かけてみようかしら。
近くの公衆電話ボックスに入り、1バーツコインを沢山用意する。タムから貰った電話番号のメモを取り出してダイアルする。7と1があやふやだったが、外国の方は7の縦棒のところに斜め線を書く事が多いから、どうにか判別できた。

い「もしもし?タム?」
タム「・・・いまむチャンでしょ?」
い「そうそう。」
タ「昨日は何してたの?」
い「ホテルで寝てた。」

『昨日は何で電話してくれなかったの?』ではなくて、『昨日は何してたの?』と聞くところがまた、タイ人らしくてホッとする。

タム「今日はね、またツアーの添乗なんだよー。これから山へ向かって2泊もするんだ。」
い「あ、そうなんだー。忙しいね・・・。」

と電話しているうちにどんどん1バーツコインが吸い込まれていく。やっぱり携帯電話への電話は高いのね。

い「またさ、連絡・・・」

ブツッとコイン切れで電話が切れてしまった。
あああああ、もう硬貨がない〜〜〜。仕方ない、自分の携帯ちゃんでかけよう。電話ボックスの外に出て、銀行前のポールに腰掛けながら電話のコール音を聞く。

い「もしもし。」
タ「もしもしぃ?いまむちゃん、次いつ会えるの?」
い「もう日本に帰るけど、メールのやりとりはできるでしょ?」
タ「そうだね、メール送るよ。」
い「じゃあまたね。頑張ってね。」
タ「じゃあね、バイバイ。」
い「バイバーイ。」

あー、なんか寂しさ倍増(笑)。さっきのトニーでいいから話し相手になって欲しい位の勢いで(涙)。
カラッとした爽やかな空気と水色の高い空がまた、旅の終わりを強く印象付ける。

なんか不思議なんだけど、バンコクのBTSで電車を待っている時やチェンマイの小道を歩いている時、もっと昔からずっと住んでいたような錯覚を起こしてしまう。半年振りくらいにタイを訪れていたとしても、”ようやく自分の日常に戻った”みたいな、故郷に帰ってきたみたいな、そんな変な感覚。
だからタイを離れなければいけない時、無性に寂しくて悲しくて、心の部品が無くなってしまった様な虚無感に襲われる。
正真正銘のタイ依存症です・・・。

はぁ。

そのままテクテク歩いていくと左手にオープンカフェのような、カジュアルな可愛らしいレストランが見えてきた。店内には欧米人のお客さんがポツポツいて、入り口のメニューブックをめくってみるとなかなか良さそうだ。
入り口に立つと、『どうぞそこの席に』と迎え入れられる。
私は通りを見渡せる、入り口の直ぐ左のテーブルに座る。

何を食べようかなぁ。メニューにはウェスタンフードとタイフードとが乗っているが、こういう所のタイ料理はそんなに美味しくは無いはずなので、日本で朝食べているトーストをメインにしてみよう。
人間の習慣って面白いなぁ、と思う。やっぱりいつも食べているトーストとヨーグルト、コーヒーという組み合わせがしっくり来るのだ。子供の頃から朝はトーストだったからね、一人暮らしだと時間が無くて作れないけど、目玉焼きがあるとカンペキ。
ブレックファストメニューを注文すると少し落ち着いてきた。

通り沿いの席は確かに排気ガスの匂いがするけど、こうしてサラサラ〜っとした風に吹かれながら通りを歩く人や流れていく車を見るのが良いのだ。3年前の一人旅の時も、帰国の日にクアラルンプールのスタバで通りを眺めていたっけなぁ。懐かしい。

そうそう、昨日買った絵葉書を送る準備をしなくては。
バッグからボールペンと住所を書いたメモを取り出して、小さな字でメッセージを書く。1枚は新卒で入社した会社の元上司へ。

彼とは上司・・・というか、う〜ん、いいパパって感じだったかなぁ(笑)。(変な意味のパパではなくて、ね。)
ほぼ毎日夜半過ぎに仕事が終わって、その後飲みに行って、締めにはラーメンを一緒に食べたり・・・で、ラーメン食べに行ったは良いけど『あ、俺、500円くらいしかねーやぁー』とか平気で言ってた課長代理。明け方近くまで飲んで食べて、横断歩道の真中で笑い転げあった課長代理。『ナマ渡部篤郎を一目見たいんで、有給とって良いですか』という私を公開録画に行かせてくれたっけなぁ、なっつかしぃーなぁ。

今年もらった年賀状には”日本にいるのかな?”って書いてきている辺り、良く私の事を理解してくれている。
年賀状の返事を出す時期を逸してしまったので、チェンマイからご挨拶ということで。

料理が来たので、ハガキを書く手を休めて腹ごしらえだ。周りのお客さんは殆ど外国人で、英字新聞を静かに読んでいる。私が食べているのを見てお店に入ってくる人もいる。

ふと道路の向かい側を見ると、冷房の利いているヌードルショップがあった。あっちでも良かったけど、やっぱり冷房が無い方が良いや。
そのお店にはタイ人のお客さんが多いみたい。タイらしい暑さを楽しむのはやっぱり外国人ということなのだろう。

食後、ハガキも書き終えてお会計。(30B位だったかな)
ハガキを出そうと思って地図を確認、ターペー門の方に郵便局があるみたい。
でも実際歩いてみるとまだまだ先の方らしく、あまりゆっくりしている時間も無いから今はパスしよう。
どこの空港にも郵便局くらいあるはずなので、チェンマイの消印は確保できるだろう。

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