ゾウ乗りの村、といっても集落がある訳ではなく、トレッキング客を乗せるためのゾウが飼われていて、ゾウ使いのオジサンたちが待っている所だ。私たちの車が到着するとオジサンたちはゾウ数頭を集め、準備を始める。 私達はゾウに乗るためのやぐらみたいな物に登り、コワゴワとゾウに乗る。2人二組で乗ることになっており、私は一人・・・と思っていたら、一人の白人のおじさんが「君とボクで一緒にのろうね、Ok!?」と気を使ってくれた。――優しい(涙)。 タムはやぐらの上で参加者が乗るのを手伝っている。「イマムちゃん、はい。」と手を引いて乗せてくれる。私のペアのオジサンと二人でゾウに乗るのだが、オジサンが重くて私が軽くてバランスが上手く取れない。オジサンは真中寄りに、私は外側寄りに座ってどうにか傾かないで行けそうだ。 ゾウ使いのオジサンが先頭にまたがり、いよいよ出発!! ――――――――。 周りは何一つ音がせず、ゾウがゆっくりと歩んで小枝を踏む「パキパキ」という音と、小鳥のさえずりのみが耳に入ってくる。ゾウが一歩ずつ歩む度に大きく上下に揺れ、視界が高いのでフワフワとして心地よい。 空気が乾燥していて山肌の黄土色した土がサラサラと粉状になって舞い上がっている。空は薄い水色で雲ひとつ無く、息を吸うとちょっとノドが痛い気がする・・・あまりに乾燥しているからカラカラしてしまうようだ。 『ブハ〜〜ッ』とゾウさんが鼻を揺らしながら大きく息を吐いている。 おうっ、ゾウの生暖かい息が私に・・・・(笑)。 い「静かですね。」 オジサン「静かだね。ゾウに乗ったことある?」 い「何回かあるけど・・・あなたは?」 オ「ボクは初めてなんだ。とってもゆっくりだね。」 い「ゆっくりですね。」 おっと、垂れ下がった木の枝がぶつかりそうだ。 い「あー、お気をつけてー。」 オ「おっと。気をつけないとね。あ、こっちに小鳥がいる!」 い「ホントだ!かわいいー。」 オジサンはイタリアから来たそうだ。タイは初めてとのことで、後ろのゾウに乗っている女性2人と一緒の様子。後ろの年配の女性はカメラをこちらに向けて楽しそうに撮影している。私の隣のオジサンもとても明るくてフレンドリーで良かった〜。 ゾウはますます山奥に分け入っていく。前のゾウと距離が離れてしまった――私の乗ったゾウはマイペース派らしく、たまに道草をしてはゾウ使いのオジサンに「こら、早く行けって。」といったようなことを言われている。 細い獣道を進み、急勾配のヘアピンカーブに差し掛かった!こんな大きなゾウがわずかな道幅の坂道を曲がりきれるのか!?私とオジサンは顔を見合わせて心配したものの、ゾウは”慣れたもんさ〜っ”とスムーズに登っていく。 登った所は小高い野原になっていて、遠くに霞んでいる山々や麓の畑・規則正しく植えられた果樹が見渡せる。 相変わらずゾウの歩む音しか聞こえない。 このままずーっと乗ってたいわ・・・終わらなきゃいいのに。 今度は緩い下り坂を下っていき、果樹の脇を通り、最初の地点に戻っていく。降りるときも高いやぐらに乗り移るのが大変。みんなはペアの男性などにアシストしてもらいつつ降りる。私はやっぱりタムが待ち構えていて「おかえりー。」と支えられてようやく降りることが出来た。 他の参加者は珍しそうに、しきりに像の写真を撮っている。 車の周りには小さな子供がいて、手にもった手作りの組紐を売っている。参加者の一人が買ったようだ。 タム「ヘイ、飲み物はいかが?チャンビールもあるよ。冷たい水もあるし。」 男性人はチャンビールを美味しそうに飲んでいる。私は持参した水があるからいいやー、と思ったのだが「冷たい水があるよ。こっちこっち。」とタムに言われ、クーラーボックスの水を頂く。 このツアーを予約した時の注意事項に「水は持参してください」とあったのでわざわざ重いのに持ってきたのだが、タムが気を利かせて水を数ケース買っていてくれたようだ。重い分だけなんか損した気分だわ・・・。 日差しが強いので、日陰でビールや水を飲みつつしばし歓談。 タム「じゃあ、そろそろ移動しますー。忘れ物はない?」 皆一斉に車に乗り込む。 タムは「イマムチャン、バイバーイ。」とか冗談を言いつつ最後に私を乗せて、また皆に飴を配る。乾いた空気でカラカラしたノドに飴が潤いを運んでくれる。そういうのを見越してタムは飴を用意していたのかな・・・だとしたら、本当になかなかニクイ奴だ。 車は昼食のレストランに向かうようだ 少し走ると、レストランに到着! レストランといっても、うーん、団体観光客用の大きい食堂、という感じ。屋根があってその下に沢山テーブルが置かれ、奥に厨房と思われる場所があるだけ。 今までの経験でいうと、こういう所はあまり美味しく無いんだよね・・・。 人数が多いので私たちは2つのテーブルに分かれて座る。私はさっきのイタリア人のオジサンとその連れの女性2人、そしてタイ人とフランス人男性のカップルと一緒に席に着く。 食事は「パッタイ」「カオパット」「豆腐と野菜のスープ」だ。 イタリア人のオジサン「このヌードルは何?」 タイ人の女の子「”パッタイ”って言います。」 オ「パスタみたいだね。」 女の子「そうですね、米で作ったパスタですね。」 イタリア人のオジサン「このスープの、これは、トウフ?」 タム「そうです、トウフです。これは大豆ではなくて卵でできてます。」 いまむぅ「卵豆腐ね、日本にももちろんあるよ。」 オ「へー、卵ねぇ・・・そんなの豆腐と言えないんじゃない?」 い「いや、日本でも卵豆腐は一般的ですよ。それに、ゴマから作るゴマ豆腐もあるし。」 オ「おー、ゴマ!?すりつぶして作るんでしょ?」 い「うーん、スーパーで買うから良く解らないけど(笑)。多分。」 オ「イタリアでは豆腐はチーズで作るんです。」 い「えーー!?世界には色々な種類の豆腐があるんですね。」 オ「そう、沢山豆腐があるんだねぇ。」 このオジサンは色々なものに興味を示していて、好奇心旺盛みたい。愉快なオジサンだ。 タイ人の女の子はフランスにいたことがあるらしく、英語よりフランス語が得意で仕事でも使っているという。(スミマセン、私、ちょっとタイ人とフランス人のカップルだったから変な想像をしてました・・・。) フランス人の男の子は英語をあまり話せないらしい。 イタリア人のオジサン「ボク達イタリア人は、フランス語を聞く分には完全に理解できるんだよ。例えば”ボナペティ(フランス語:楽しいお食事を!)”は”ボナペティート”って言う具合にね、言葉が殆ど一緒だから。」 い「へー、そうなんだ。私もすこ〜〜〜〜しだけ、フランス語分るけど・・・。」 オ「ただ、聴いて理解できるけどしゃべれないんだけどね〜。」 まあ、私のフランス語っていっても大学の第二外国語で習った程度なので、既に錆付きまくっている・・・当時は有名な厳しい先生に習って”優”をもらったんだけどね(涙)。 オジサンの連れの女性は英語が得意では無い様で、多くは発言はしない。けど、楽しそうに会話を聞いて笑ったり、こちらに笑顔を向けて相槌を打ってくれたりと、和やかなムードだ。 オジサン「キミ(タイ人の女の子)、全然食べてないね、もっと食べなきゃ。」 女の子「ええ、そうなんだけど・・・・こんなに食べたら太っちゃうから(笑)。」 ちょっとポッチャリした彼女は、ダイエットしているようだ。 女の子のダイエット願望は全世界共通なんだね、なんだか親しみを感じるわ☆ |