それ行け!OLバックパッカー

タイ〜タイ人オトコはジゴロなのか!?


チェンマイ駅到着

ベッドのカーテンを閉じると、なんとなくホッとして寛げる空間になった。携帯用のメイク落しで顔を拭いて、靴下を脱いで、と。横になって照明をつけ、I氏にもらったチェンマイのタウン誌をペラペラめくってみる。頭の方の壁に小さな小物入れ用バスケットが付いていたので、携帯電話・腕時計を入れておこうかな。

連日睡眠不足なので、ゆっくりと時間を過ごす余裕もなく睡魔が襲ってくる。眠い・・・。カーテンを閉めてあるものの、”隙間から見えちゃうかも?””開いたらどうしよう”と若干の不安を抱きつつ着替えをして寝る支度をする。
割と狭いのよね、ここ。私にとってこれだけ狭いんだから、男性なんてどうしているんだろうか。上段・下段の価格差(上段が安い)はこういうことなのかなぁ・・・。

各ベッドにはビニール袋に入った真っ白なタオルケットが備えられている。開けてみると、タオルケットというよりはバスタオル。エアコンで寒いだろうな〜と事前に予想していたものの、これでは寒さをしのげそうにないぞっ――既に寒いし。しかもこれから北部へ向かっているのだ!!
仕方ない、パーカーを着て寝よう。

あれ・・・???パーカーが無い。あれあれぇー。
おおっ。そうだ、思い出した、さっき椅子だった時に壁のフックに掛けたままだった!!ということは、下のオジサンのベッド空間にあるのだろうか??
あーーー、しまったぁー、かなり寒いし・・・かといって”スミマセ〜〜ン”ってオジサンのカーテンを開けることは出来ない。オジサンの寝姿見ても仕方ないしぃ。そういえば、蔵前さんの本も多分置きっぱなしだった。無くしちゃったかもな。
はぁ〜っ。

薄手のカーデガンがあるから、それ着てなんとか生き延びれれば―――南国に来て、こんなに寒い思いするなんて思わなかったよぉ。手足の先がすっかり冷たくなってしまった。つい数日前まで日本で、「手足の冷える日々も、タイに行けば忘れられるわ☆」とウキウキ考えてたのにな〜。

横になっても、寒くて熟睡できず。夜中に目がさめ、お手洗いに行く。寝ぼけまなこでお手洗いに歩いていくと、洗面の向い側が係りのお姉さんの休憩所(簡易ベッド?)になっていた。この仕事も大変だわねェ・・・夜勤、ということかな。
そういえば、私の下のオジサンはもう居なくなっていた。途中下車したんだね。

再びベッドに戻るが、寒さは増すばかり。ああああ、エアコン切ってくれないかな。風邪ひかないかな、大丈夫かな、と心配になってしまう。私はひたすら白いタオルケットでミノ虫みたいに丸くなって、寝台列車の朝を迎えるのだった――(涙)。

ふとを覚ますと外はもう明るくて、周りの乗客も減っている。ベッドが片付けられ、椅子に戻っている所もある。私もそろそろ起きようかしらね。
頭はぼっさぼっさでノーメイク、メガネを掛けたまま食堂車に向かう。きっと眠りが浅かったのだろう、頭の中はモワ〜〜ンとしていて重い。目もショボショボになっている感じがする。
昨日と同じ席に座り、朝食メニューを注文する。
窓は全開に開けられていて、朝の冷たく澄んだ風が入ってくる。窓の外は――森の中、という雰囲気だ。太陽がまだ上りきっていないので、空はうっすらとオレンジがかったような、ちょっと灰色っぽいような表情。

朝食はメニューごとに既に調理場で用意されていたようで、目玉焼き等の乗ったお皿に食パンがかぶせられ、ラップが巻かれた状態ですぐに運ばれてきた。オレンジジュースも来たのだが、寒くて冷たいジュースどころではない。温かいコーヒーが注がれると、まずは手を温めつつゆっくりと飲む。
ああああああぁぁ〜〜〜、あったまるわぁ〜〜〜☆

夜眠れなくても食欲だけは旺盛のようで、大好きな目玉焼きからいただきマース

朝の食堂は、昨日の喧騒が嘘のように静か。窓の外を眺めつつ一人で朝食を頂いていると、目の前の窓際の席に若いタイ人の男の子が座った。彼はコーヒーだけを注文して静かに座っている。
年の頃はそうねぇ、15〜17歳くらいかなぁ、でも表情は落ち着いていて(生意気そう?)大人びた感じもする。私はここで話し掛けるべきか否か???うーん、話し掛けて英語が上手く通じなくても面倒だしなぁ・・・。
と悩んでいる間にも、何回か視線があってしまう。あわわわ、なんかどんどん気まずい感じになってきてしまった。話し掛けるタイミングを逸してしまったなぁ。
うーん、窓の外の景色でも写真に収めてみるか

暫くすると彼は無言のまま席を立っていった。あー、なんか折角目の前に座ったのにごめんねぇ。
空いた席に今度は白人のお姉さんが来て、一眼レフカメラで窓の外を懸命に撮影している。視線を追ってみると、おおおおおおおーーー、納得。
山の端がオレンジ色に染まっていて、ちょうどそこから太陽が昇ろうとしていた。
感動的!!

さあ、朝食を食べ終えたので席に戻ろうかな。
戻ってみると、ベッドが座席に戻っていた。お兄さんが戻してくれたようだ。
あ、座席の所に私のパーカーと蔵前さんの本が置いてある!!
係りのお兄さんが今朝もニコニコやってきた。

係りのお兄さん「あ、これ、キミのだよね?」
い「そうそう、昨日、探してたの〜〜。」
係「下に落ちてたから、君のだと思って椅子に置いておいたよ。」
い「ありがと〜〜〜〜っっ。」

あー、良い人だ。しかも本当に気さくでリラックスできるよ。一人ぼっちの寝台列車でどんなに心強く感じることか・・・。

席に座って身支度をはじめる。お手洗い横の洗面台は揺れるし、化粧室という所もないので、座席でお化粧をするしかないな。窓際を向いて、コソコソっとお化粧をする。これから日が高くなってくるので、日焼け止めもキッチリね。
ふと視線を向うに向けると、さっきの食堂車で同席した男の子が2〜3席奥に座っているのが見える。一人で乗ってきたのかな、何か用事だったのかな。相変わらず彼はキャップをかぶって静かにしている。

何回か駅に停車したので、駅名を確認してみる。あと数駅でチェンマイに到着のようだ。時計を確認してみると、時刻表どおりに進んでいるみたいだ。優秀だねぇ。
お化粧が終わりコンタクトを入れると、係りのお兄さんがニコニコ通り過ぎざまに「綺麗だね〜〜」と声を掛けてくれた。
どこまでも気さくだ・・・ありがとうございます。

しばらくボーっとしていると、とうとうチェンマイ駅に到着!!
時刻を確認すると、ジャスト!オンタイム。AM9:00ちょっと前に到着だ。
荷物をまとめてリュックを背負い、列車を降りる。降り口には係りのお兄さんが皆を見送っている。

お兄さん「See You Guest!」
い「ありがとうー。」
お「またねー。」

握手してお別れ。一緒に写真とってもらえばよかった・・・お兄さんのお陰で心が温まったよ。ジーンとしてしまう一瞬だ。

今でも、朝のまぶしい光とお兄さんの笑顔が鮮やかに思い出される。決して男前ではなかったけどね、愛嬌のあるナイスガイだった!

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