それ行け!OLバックパッカー

タイ〜タイ人オトコはジゴロなのか!?


ドナ・ドナ??

席に座ると、真向かいにはタイ人のオジサンが。痩せてて四角いめがねを掛けた、チャイニーズ系の人かな。彼は新聞を熱心に読んでいて、横にはこじんまりとした荷物が置いてある。

い「・・・・・・。」

会話無し。
多分、これからも交流は生まれないでしょう。残念!!

列車はまだ発車しないようだ。お腹は空いているし、喉も渇き気味のような・・・でも何も買ってきてない。水はわずかだがペットボトルに残っている。
そして、お手洗いに行きたくなってきた――というか、お手洗いに行きたかったけど、急いでいたから行けなかったのよぉ。
お手洗いはどこかな、と、先頭の方に向かって歩いてみる。ちょうど私の車両の継ぎ目の所がお手洗い&洗面スペースになっていた。好都合じゃないですか♪
銀色の重いスライド扉を開けて中に入る。中はきれいに掃除されていて、トイレットペーパーも完備。念のためティッシュを持参したけど使わなくて良さそうだ。

で、驚愕!!!
便器を見てみると―――パッと見は水洗和式トイレなのだが、流れる所には”穴”があいているだけ
えーっと、えーっとぉ・・・ん?待てよ、こりゃ、何だ?
下にはレールが見えるんですけど。
やっちゃって良いんですか??良いんだよねぇ・・・。
トイレの中で、一人、苦悩するいまむぅ。
でも、お手洗いはお手洗いなので、失礼して。罪悪感があるなぁ・・・。
そうこうしているうちに、『ガクン』と衝撃があり、列車がソロソロ〜っと走り出した様だ。
(後日、掲示板でみなさんから、”停車時は使用禁止の暗黙ルール”を聞き、更に罪悪感を感じた私です。知らなかったので許してください・・・。)

席に戻って窓の外を眺める。でも夜だし、景色が良く分からない。
持ってきた蔵前仁一さんの”ホテルアジアの眠れない夜”を取り出して読む事にしようかな。久しぶりの一人旅だから時間が余るかな〜と思って、2冊本を持ってきたのだが、本を読む暇なんて今まで全然なかった。流石に列車では読むことになったわね。
タイの寝台列車でアジア本を読む、これがなかなか最高なんですぅ〜〜〜っ。
(もう1冊は中島らもの”中島らものたまらん人々”。たまらなく面白かったー。)

グルグルグル〜〜ッ、とお腹が鳴っている。そうなのよ、空腹だったのよ、私。周囲では買ってきたサンドイッチを食べている人もいて、空腹感を盛り上げてくれちゃっている。
係りのお姉さんは手に何か紙みたいなものを持って、奥の席の方に歩いていったっけ。隣の席にも同じように来て、席の下に格納されている即席テーブルのようなものをセッティングしていった。
こ、これは!?!?
食事のデリバリーサービス、ですかぁ?
多分そうだろうなぁ〜、と上の空で本を読みつつ観察していると、お姉さんが料理の乗ったお皿を運んできているではないか。いいなぁ、いいなぁ、呼び止めたら良いのかなぁ、注文の時間とか決まってるのかな。でも机を出すとなると向かいのオジサンの都合もあるだろうし、やっぱりダメかな。
あーーーー、お腹空いたよ〜〜〜。明日の朝まで我慢!?・・・できるかなぁ(涙)。

長時間座ると足がむくんで痛くなってくる。靴を脱いで、椅子の上で横座りしよう。
ホアランポーン駅を出て比較的すぐに次の駅に到着したが(ドンムアンだね、きっと)、その後は一駅一駅の区間がかなり長くなった。停車する度にお客さんがゾロゾロ入ってきて、出発の時は7割程度埋まっていた席もほぼ満席になったのではないかな。
みんな手には大きな荷物を持っている。旧正月の終わった日曜日だから、家に帰るのかもしれない。途中駅からの乗客はタイ人ばかりだ。
あー、横座りも疲れてきた。体育座り(懐かしー)しよう。

暫くすると、車掌さんと思しき人が改札に来た。私はバッグからチケットを取り出して差し出す。車掌さんは目的地を尋ね、座席番号とチケットの記載内容を確認したあとに”パチッ”とパンチ穴を開けてチケットを戻してくれる。
私の向かいのオジサンはチェンマイではない他の地名を言っていた様子。ということは途中下車の人は、深夜とか暗い早朝にちゃんと起きて下車しなければいけないのねぇ、大変ね。

さらに暫くすると、チラホラとベッドメイキングが始まった。車両毎に担当のお兄さん(オジサンとか?)がいてその人が面倒を見てくれているようで、「ベット作りましょうか?」とそれぞれに聞いたりしている。(途中下車の人はこのお兄さんが起こしてくれるのかも?)
私の方にも声を掛けてくれた。

係りのお兄さん「ベット作りましょうか?」
い「え、あ、はい。」
兄「ご飯食べてないでしょ?ここまっすぐ行った車両が食堂車だから、僕がベット作っている間に食べてきなよ!お腹一杯になって戻ってきたらベッドができてて、すぐに寝られるよ。」
い「そうだね、ありがとう。向こう行けばいいの?」
兄「そう、すぐそこだよ。」

うううう、またもや、親切が心に染みたよ・・・お兄さん。きっと、私がモノ欲しそ〜〜に食事が運ばれるのを見てたんだろうなぁ、なんか恥ずかしい(汗)。
お兄さんは他の乗客にもフレンドリーに話し掛けていて、朗らかな感じ。良い人そうだわ。

食堂車は、お手洗いのすぐむこう、私の11号車の隣だった・・・あんなに空腹を我慢してた自分がアホらしー。
扉を開けると、良く分からない音楽がガンガンかかっていて、白人のオッサンやオバサンがバカ騒ぎしている。照明も暗めで、窓は全開、席はほぼ満席だ。
入り口で椅子が見つからずに待っていると、店員のお兄さんが「相席だけどこちらへどうぞ」と中に案内してくれた。

席に着くと、テーブルの向かいの窓際にタイ人のお姉さん、正面にインド人親子、私の右隣に白人のお兄さんが座っている。
メニューから簡単な1皿料理を頼んでみる。
すると、タイ人のお姉さんが話し掛けてきてくれた。

お姉さん「アナタ、ニホンジンデスカ?」
い「そうです、日本語話せるんですね。」
お「スコシ。」
い「どこで習ったんですか?」
お「ジブンデベンキョウシマシタ。」

黒いセルのメガネをかけた、多分私と同じくらいの歳(か少し上?)のニコニコしたお姉さん。人懐っこい笑顔が印象的だ。
お姉さんは向かいの(私の右隣の)白人のお兄さんと英語で話をしている。

お姉さん「どこに行くの?」
い「チェンマイまで。」
お「一人?」
い「そう。」
お「タイは初めて?」
い「タイは大好きで、年に2回くらい来てるよ。でも、チェンマイは初めて。」
お「私は日本に行ったことは無いけど、日本が舞台の映画は見たわ。えーっと、”ロスト・イン・トランスレーション”」
い「見たこと無いけど、知ってるー!!アメリカ人の男の人と女の人が東京で出会って・・・っていう話でしょ?」
お「そうそう!!」

それから少しづつ、「向かいに座っている子供は何歳?」「2歳かしら?」「その料理は美味しい?」などとお話をした。電車がかなり騒々しくて(というか、周りのテーブルの欧米人のオッサンどもが騒いでてうるさい!!)会話が聞き取れない・・・・。もーっ。
隣のお兄さんにもちょっと話し掛けてみよう。

い「どちらから来たんですか?」
お兄さん「イガイラス。」
い「は??」
お兄さん「イガイラス。」
い「え?」
お兄さん「日本語で”イガイラス”って言うんじゃなかったっけ?」
い「――イギリス??」
お兄さん「あ、そうそう(笑)。」
い「なんだ、イングランドか、日本語は”イギリス”だよぉ〜。」
お兄さん「イギリス、ね(笑)」

私は辛い鶏の炒め物のご飯とスープを食べつつ、全開の窓の風を受けて自由をかみしめる。
自由だ・・・・。
お姉さんに頼んで写真を一枚撮ってもらう。

通路挟んで横の騒がしいオッサンが、私の向かいに座っている2歳のインド人の女の子の写真を撮りたいらしく、一生懸命カメラを構えて手を振っている。確かに、この女の子はかなーーーりカワイイ!!目がクリクリしている。
若いお母さんは英語が話せないのか、言葉は全く交わしていないが・・・。

タイ人のお姉さんとイギリス人のお兄さんは席を立って「じゃあ、またねー」と戻っていった。楽しい時間を有難う☆(でもカップルではない模様)
さあ私もそろそろ・・・と席を立とうとしたら、直ぐ後ろの席に背中あわせで座っていた白人のお兄さんに話し掛けられる。そうとう酔っているような感じだ(汗)。

お兄さん「ねえ、君、日本人?」
い「ええ、そうですけど。」
お「ボクね、日本好きなんだよー。日本語も勉強してるんだ。」
い「あ、そうなんだ。」
お「バンコクで英語教えてて――」

と話していると、お兄さんは顔見知りが多いのか、いろいろな人に話し掛けられて会話が途中になってしまった。まあ、よく分らない酔っ払い風だったので、「じゃあ――」と私も自分の席に戻ることにする。

席に戻るとベッドが綺麗に作られていて、私を見つけると係りのお兄さんがニコニコしながらやってきた。

お兄さん「向うでビールは飲んできた?」
い「いや、飲まなかったー。」
お「どこから来たの?」
い「日本の東京。」
お「お〜、トウキョウ。それにしても、眠そうだねぇ?」
い「そうなのー。とっても眠い・・・疲れちゃった。」
お「じゃあ、お休み〜〜。」
い「お休みなさーい。」

お「♪ドナ・ドナ・ド〜ナ〜〜〜・・・・♪」

お兄さんは鼻歌を歌いながら向うに歩いていった。私は上段のベッドなので荷物置きの脇のハシゴを登って自分だけのスペースとなったベッドに辿り着く。

しかし、なんでさっき、お兄さんはドナドナ歌ってたのだろーか。
謎。

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