それ行け!OLバックパッカー
タイ〜イギリス 〜アジア好きが見たヨーロッパ


思えば遠くへ来たものだ

ふと目が覚めると、時計は朝の6時。あらあら、かなりぐっすり寝た感じだったんだけど早起きしてしまった。でもこの時間帯は皆さんがご出勤まで忙しい時間帯だと思われるので、ベッドの中でウダウダして暫し時間を潰す。
ピーターやデビーの話し声やシャワーの音が消え、再び静寂が戻ってきた。
そろそろいい時間かな??
時計は8時30分。
私は一人、勝手のわからない人のお宅でノソノソと起き上がる。カーテンを開けると少し曇った空が目に入り、窓からは冷たい空気が流れ込んでくる。階段を降りて昨日ワニータがカルボナーラを作ってくれたキッチンに入る。すると、何か紙切れが置いてあるのに気付いた。

「これから調子の悪い肩を病院の先生に診てもらうので、アナタは好きなように過ごしてください。パンやジャム、コーヒーは自由にどうぞ。ドライフルーツ入りの美味しいヨーグルトは私が帰ってから作ってあげるから、楽しみにしていてね! fromワニータ」

――泣きそうッス。
ワニータの笑顔が浮かんできて、朝から心が温かくなった。

お言葉に甘えて、朝の空腹をトーストとコーヒーで満たす。
こんなに静かで穏やかな朝は日本でもなかなかない。心を乱すものも無くて、本当に平和な気持ちになる。
ボケーーーーーーーーーっとコーヒーを飲んでいると、ワニータが帰ってきた!

ワ「グッドモーニング!帰ってきたわよ〜。」
い「お帰りなさい。」
ワ「朝ごはんは食べた?」
い「食べたよ。トーストとコーヒーで。」
ワ「そう!それは良かったわ☆じゃあ、すぐにヨーグルトを作るわね、少し待ってて。」
い「うん、分かった。」
ワ「あ、そうそう。こんなの買ってきたんだけど!」

ワニータの手には、カーキ色した肩掛けのバッグが。

ワ「ポケットも沢山ついているし、旅好きな私たちにはもってこいだと思って。ちょうどセールしていたから2個買っちゃった!」
い「うわー。色々入りそうだね。」
ワ「一つがアナタの、一つが私の、ね。」
い「嬉しいぃーー!」

まじ、もう、嬉し過ぎなんですけど(涙)。ありがとう。

そしてキッチンに戻り、ワニータはドライフルーツを沢山取り出すと二つの深皿にドサドサ〜〜っと入れる。その上からヨーグルトを入れて、松の実のような何かの種をふりかけて出来上がり。ワニータの出身地である南アフリカではドライフルーツが豊富で、彼女のお母さんもこうやって作ってくれたという。
キッチン隣のリビングに移動し、ソファーに座ってモグモグと食べる。栄養がありそうだわ、こりゃあ・・・。

朝食を終えると、本日の観光コースである「田舎のお城巡り」に出発〜!
折角だし、さっき買ってもらった肩掛けバッグを使ってみよう☆カメラなどを入れてみると丁度良い大きさじゃないの♪本日、ワニータとペアルック(?)です(笑)。
家を出て、まずはTonbridge城へ向かう。

車を走らせて30分程すると小さい町に着き、看板などを頼りにお城に到着。
お城の駐車場に車を停めて歩き出す。

ワ「あ!」
い「?」
ワ「ヤッダー、私、カメラを車に忘れたわ。ちょっと戻って持ってくるわ。」
い「うん。」
ワ「私って忘れっぽくて、家族にも友達にもいつも注意されるのよねぇー、アハハ―。」

以後、本当に彼女は色々な場面でバッグやらジャケットやらを忘れていた(笑)・・・でも彼女の明るさと大らかさで、その忘れっぽさすら素敵なチャームポイントに思えるのが不思議。

老夫婦「あのー。この駐車場はどこで支払うのかね?」
ワ「私も初めて来たんですけど・・・あ、あそこですね。」
老夫婦「ありがとう。」
ワ「どういたしまして。」

ワ「私って、いつも色々な知らない人に話し掛けられるのよねぇー。不思議〜。」
い「そうなの?」

これもまた以後、色々な場面で色々な人に話し掛けられるのを目撃(笑)。多分、話し掛けたくなる、人を安心させるようなオーラを出しているんだと思うよ。素晴らしいことだ!

ここのお城はこじんまりしていて、街を流れる川、水面で遊ぶ水鳥、手入れの行き届いたお庭と鮮やかな色の花々に囲まれて、絵葉書のようだ
すごいよ、やっぱりすごいよ、イングランドの伝統は・・・・。どこから切って見ても美しい。
あっという間に見終わったので、お城の中にある観光案内所で他の見所を探してみる。

ワ「あのー。この近くに、他に見るようなところはありますか?」
係りのお姉さん「ないですね、このお城以外には。」
ワ&い「・・・・。」

二人で顔を見合わせてしまった。即答で「ない」って(笑)。

ということで、ちょっと遠いけど素敵なお城の存在をなんとか聞き出し、次はヒーバー城へ向かう。
もらった地図を頼りに進むものの、中略された部分の道が長い長い・・・私達は心細くなって道端の人に「ヒーバー城はどこですか?」と聞きまくって進んでいく。
途中、写生中のおばあさん達に声をかけたけど聞こえなかったらしく、おばあさん達はモシャモシャと美味しそうなおやつを食べていた。

なんとか到着したヒーバー城は――広い!とにかく庭が広い!
ゴルフ場みたいだ!!!

入り口でチケットを買うと、窓口のオバサンが「今日はいいお天気ね。楽しんできてね。」と声を掛けてくれる。イギリスの人たちは些細な事でも言葉を交し合ったりして、とても温かい気がする。

さて。このヒーバー城というのは、ヘンリー8世とその2番目の妻、アンヌ・ボレインが住んだお城として有名。このヘンリー8世というのがメチャクチャなオッサンで(失礼。)最終的には6人も奥さんを取り替えたらしい。最初の奥さんと別れるためには離婚を認めないカトリックでは都合が悪く、離婚したいがためにプロテスタントへ改宗したという。そして次々と奥さんを替える為に処刑(チョップ!)したりと荒々しい事をしたという。
イギリスの人は、なんだか語呂の良い言い方で「1番目は離婚して〜、2番目は首チョップ〜・・・・〇番目は生き長らえた〜♪」みたいな事を言っていた。

お城の中でもちょっと面白いおばあさんが私達の写真に勝手に入ってきてポーズを取っていたり、ワニータが話し掛けられたりと面白含み(笑)。
城内に入ると厳かな雰囲気に圧倒され、当時の調度品や絵画、家具、衣装などが間近にみられた。拷問の器具なども展示されていて、かなり痛そうだった・・・。

ヒーバー城は周りが広大な公園で、幼稚園生らしい団体がキーキー騒いでいる。どこの国も子供は一緒なのね。
私達は家で作ったサンドイッチを広げ、ちょっとした昼食を摂る。ベンチの傍には食べかすを狙ったアヒルたちが群がり、ワニータは面白そうにパンを分け与えている。

ワ「おやつには、クリームたっぷりのスコーンと紅茶、とっても美味しいセットがあるからそれを頂きましょう〜。」
い「スコーン!クリーム!」
ワ「そうそう。楽しみね〜。」

お庭を歩いていると幾何学的な形に揃えられた植木や、トンネルのように頭上をまたぐぶどう棚、いかにもイギリスらしい風景を堪能できる。ぶどう棚の向うのほうには湖が見える
これはきっと、昔の王様も美しいと思ったに違いない。

その湖のほとりでさきほどワニータがおススメしたおやつを頂く。スコーンのセットと一緒に、ケーキも頂く
・・・っていうかねぇ、この国は何もかもが大きいんだよねぇ・・・どうみても食べきれないんですけど。それに周りのテーブルにいる奥様(おばあちゃま?)方も含め、よく食べる事食べる事。そりゃあみんな太るわなぁ(汗)。

美味しいおやつを食べながら、私達は職場のこと、同僚の事、宗教のことなどを話す。私の語彙の乏しい英語を、根気強く聞いてくれるワニータ。本当に友達になれて良かった!

おやつの後はお城を後にして、再び迷いつつ帰途につく。
この田舎道の風景がまた、絵画のよう。
どこまでも続く収穫後の畑。所々に藁の束??みたいな大きな塊がゴロゴロしていて、ミレーの”落穂拾い”の世界だ。すっごーーーい、素敵☆

数時間かけてようやくアパートのある街に戻る。近くの大型スーパーに行って今晩の夕食の食材を探す。今夜は私の作る「日本食ナイト」なのだ♪
メニューは・肉じゃが・ほうれん草の酢味噌和え・味噌汁。

お肉のスライスを探すが、全く見つからない。スライス、という概念がないらしく、お肉屋さんのお兄さんに言っても、結局出てきたのはミニステーキみたいなお肉(汗)。お豆腐も真空パックに入っているし、ほうれん草はキレイに洗われてパッケージに入れられている。そしてお米、日本米が置いていない!!仕方ないので、エセ・チャイニーズなレトルトのチャーハンで代用。(インディカ米なんですけど・・・)
タイをはじめとするアジアにはどこかに日本製品が紛れ込んでいて、日本にいる時と同じように物を買える。がしかし、イギリスとなるとそうもいかないみたいで、その不自由さがまた「随分遠くまで来ちゃったんだなぁ〜〜」っと思わせる。

お買い物の後はすぐに家に帰り、料理開始
ほうれん草をゆでた後お水で冷やして絞る、という作業にはイギリス人がビックリ!だったようだ。ワニータはデビーを呼んで嬉しそうに説明していた。
味付けなどは私が日本の100円ショップで買ってきた味噌・つゆの素、でOK。お醤油もお土産に考えたんだけど、日本食をあまり食べないワニータでも簡単に使えそうなのでつゆの素にした。お味噌もダシ入りなら好きな具とお湯でできるしね♪
(因みに、”ガリ”はイギリスでは高いらしく、ワニータからお土産として頼まれていた。何が高いか日本では想像もつかないなぁ)

ワニータ達のキッチンに置いてある「ショウユ」を舐めてみたらとても甘くてビックリした。しかもパッケージは中国風のドラゴンなどが描かれている(笑)。こちらの国の人用に味付けがしてあって、炒め物などに入れて味付けをするそうだ。こんなのが日本伝統の味だと思われたら大変だよねぇ・・・文化の誤解だよ。

出来上がった品々を盛り付けるのも食べるのも大変
「味噌スープはどういった物に入れるの?」「ご飯は大皿に入れるの?それとも小さなお皿に?」「どうやって食べるの?順番は?」「え!?順番はないの?ご飯とおかずを交互に食べるの!?」などなど・・・やっぱり遠くに来たもんだ(笑)。
でもしきりに「ヤミ〜〜!」って言ってくれた。ありがとう☆

食後に”フレンチキス”のDVDをみ始めるものの私は理解不能で(汗)。お先にシャワーを浴びて本日も就寝。

明日はいよいよロンドン観光だ!




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