それ行け!OLバックパッカー
タイ〜イギリス 〜アジア好きが見たヨーロッパ


良い子は真似しないでね2

暫くすると、エディ達の知人らしきオジサンが合流してきた。太っていてにこやかなオヤジ。

オヤジ「やあ、キミ、日本人なの?かわいいねぇ〜〜。」

とかミルクティーを飲みながら盛り上がりつつ、エディ達と話している。このオッサンもまた調子のいい感じだ。

オヤジ「僕はね、料理人なんだよ。ねえ、キミの写真を携帯のカメラで撮っていい?」

ということで、何故か携帯のカメラで大撮影大会。

オヤジ「キミの電話番号教えてよ、ねえ、いい?」
い「・・・。マレーシアでは通じないし、日本にいるときは国際電話になりますよ。」
オヤジ「いや、それでもオレは頑張ってかけるから!ハロ〜、料理人のオレだよ!って。」

・・・・・。
まあ、訳わかんない電話は着信拒否するからいいか。どーせかけてこないだろうし。
適当な紙に電話番号を書いて渡すと「オレの電話番号も書いとくから、いつでもかけてきて!」とかいわれ、番号を書いて渡される。エディもそこに入ってきて、電話番号交換大会に。

なんだか分からない内に食事が終わって、そろそろ帰る?という雰囲気に。

お店のお兄ちゃん(タイ人)を呼び、エディに「タイ語喋れるんでしょ?」とか言われてタイ語でお兄ちゃんと少し会話をしてお会計。
お兄ちゃんは紙切れに「215」と書いてきた。

エディ「これ、タイ語でなんて言うの?」
い「ソン ロイ シップハー」
エディ「じゃあ・・・。」

といって、エディは私が自分の分を支払おうとして持っていたリンギをつまみ出して「お会計ね。」・・・・・。

な、な、な、な、な、な、、、、、なにいぃぃぃ??
私のリンギで全部払うの??
しかも215って、いくらなの?

気が動転して頭が真っ白になり、全く状況が飲み込めない。215っていくらなの?いくらなの?私の食べたものは4リンギ、他の人の料理もそれ位だったし、215っていうのはどういうこと??

お兄ちゃんがお釣りを持ってきた。流れで私がそのままお釣りを受け取り、みんなで席を立つ。料理人のオヤジはニコニコしながら「バーイ」と去っていった。
私達は車の方へ歩いてく。

―――どうなってるんだ、これは?どうなってるんだ?
私の分だけ払うんじゃないの?後で払ってくれるということ??
・・・んな訳ないか(涙)。

怒りとオドロキと衝撃でワナワナしてきた。エディ達が何か話し掛けてきても何を言っているかサッパリ分からない。明らかに私のテンションは一気にど〜〜〜〜んっ!と奈落の底へ落とされ、クラクラしながら車に乗り込む。
ここで強気にガンガン言っても怖い事になりそうだし、車から放り出されかねない。放り出されるのは良いとしても、身に危険が及ぶ事だけは避けねばイカン。

うわぁ〜〜〜〜〜、やっちまった。
いや、やられちまった(怒)。

車の中で、さっきのお金を携帯の電卓機能を使って確認してみる。両替したお金と今の残高を確認すると、結局使ったのは21.5リンギ。215っていうのは21.5の事だったんだ・・・金額にして600円ちょっと。
あ゛〜〜〜〜〜、両替した時に1000Bなんて多すぎだ、と、なんで気付かなかったんだろう(涙)。マレーシアとタイはそんなに物価が変わらないんだから、500Bだって1食には充分すぎるんだよ。

あ゛〜〜〜〜〜〜(怒)。
この怒りは・・・そう、自分自身に向かっているのだ。自分のバカーーーーーっっ。

これは600円という金額の問題じゃない。もう、なんというか、自分が腹立たしいというか、ラッキーって少しでも思ったことが気分悪いというか、私が払う事になるなら最初から言ってくれたら全然よかったのに、なんでこんな気まずい思いをしないといけないのか・・・・とめどなく怒りがこみ上げてくる。

少しして空港に到着、私達は何事もなかったように車を降りてロビーの方へ歩いて行く。
出発の時の朗らかさは全く消えうせた私は、朦朧とした頭で「今からなら文句を言っても大丈夫そうだし、思いきって怒ろうか」「いや、でもそんな事するだけムダか・・・」と考える。
エディは気を使ったような表情で「お菓子でも買う?」と訊いてくるが、そんなの全然欲しくもないし、このままササ〜っと去ってしまおうかとも考える。が、ヨワイ私は(多分)無表情のまま無言で立っている。
出発までまだ30分以上時間があったけど、これ以上彼らと一緒にいることはできないので「じゃあ、またね」と苦笑いを浮かべながら出発ロビーへ向かう。彼らは職場である到着ロビーへと向かっていった。エディは最後までニコニコして手を振り続けていたが、一緒にいた男性2はニコリともせずにさっさと歩き去っていった。

なんなんだよ、その態度は!?!?
キィィィィィィーーーーーーーーーーーーーーっっっ(怒)!!!

あのヤロー。ムカツク、本当に心の底からむかつく。
人の事バカにしやがって(怒)。アンタの分払ったのは私なんだからねっっ。あ〜、こんな事ならもっと沢山注文しとくんだった。もっとジュースとかじゃんじゃん頼んでおくんだったっっ。途中で来たあの料理人のオヤジの飲んでたミルクティーも私が払ったんでしょ??なんだよ、それ。堂々と注文しやがって。

この、この、この怒りはどうしたらいいの?
そしてこの脱力感・疲労感はいったい・・・・・(涙)。

出発ロビーでいつも抱くようなワクワク感はゼロ。いや、マイナスだよ。
はぁ〜〜〜〜。これからイギリス、本当に大丈夫かな――旅を続けられるんだろうか、私は・・・。完全に打ちひしがれた私はロビーを探索する元気もなく、残りのリンギをイギリスポンドへ両替をする。ポンドに換えるには中途半端な金額だったらしく、ほんの少しのポンドとリンギを返された。嫌がれるかな、と思ったけど、リンギなんて残しても仕方ないので再度アメリカドルへと両替してもらう。
嫌な顔せずにもう一度両替してくれた銀行のオジサン、あなたが一番イイ人に見えたよ・・・。もうリンギなんて見たくもない(涙)けど、結局少し残ってしまった。
そして私は手持ちの搭乗券を握り締めて出国ゲートのほうへ向かい、少しでも早くクアラルンプールを離れるように進んで行く。

これは、旅慣れていい気になった私に対して、神様が警鐘を鳴らしてくれたんだ、きっと。被害額は600円で済んだし、なにより五体満足で帰ってこられたんだから感謝しないといけない。(マレーシア人にとってはコレくらい当たり前のことだったかもしれないし。)
今回の原因は完全に私にある。

最近はタイへ行っても、タイの友人知人に施しを受けまくっていて、それが私の感覚の中で根付いてしまった。当然マレーシアでも客人である(?)私は施しを頂けたりすることもあるだろう・・・というような、おごった気持ちがあった。
あくまでもここは外国であり、見知ったタイではない。しかも物価の状況などもすっかり頭から吹っ飛んでいた。

日本では小学生でも知っている。

「知らない人に付いて行ってはいけません!」

―――だよね・・・。

浮かれすぎた私には良い戒めだ。今後はタイへ行く時も改めて心に刻んでいかねばならない。

飛行機の方は予定通りに搭乗開始。時間を持て余していたけど、お手洗いでお化粧を落として洗顔ししたり、機内で夜を過ごす準備を整えるには丁度良かったのかもしれない。もちろんTシャツの上からセーターを着こんで寒さ対策も万全だ。

機内に入って自分の席につくと、隣には欧米人のカップルが座ってきた。ロンドン行きだからイギリス人だよね、きっと。
定刻に離陸し、夜の旅がスタートする。

暫くすると隣のカップルが・・・隣のカップルが・・・・ベタベタしとるじゃないかぁっ!?

ウザイんじゃ、コラァァ〜〜〜〜〜〜〜っっっ(怒)!!!!!

クアラルンプール以降、全くツイてない。(チッ。)



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